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【Vol.3】ホントに日本の伝統工芸? 「江戸切子」の数奇な運命

【Vol.3】ホントに日本の伝統工芸? 「江戸切子」の数奇な運命

【数奇な運命・3】

ラッキーづくし?の明治維新

 

現代の切子職人は、表面にダイヤモンドの粉末を施した数十種類の回転盤を使い分ける。

薩摩藩の一大事業として日本の切子界をリードした薩摩切子。しかしそこから一転、幕末の薩英戦争や明治維新後・西郷隆盛の西南戦争など物理的な大打撃が相次いだことで工房が壊滅。スタートからわずか17年でなんと断絶してしまいます!しかしこれに比して、劇的にグレードアップしたのが江戸切子。

1876年(明治9年)、明治政府は、殖産興業の一環として品川硝子製造所を設立。そこでは1881年に本場イギリスからお抱え外国人・エマヌエル・ホープトマン技師を招き、世界最先端の技術とデザインをゲットします。

「それまでのカットは、棒状のヤスリを使う『手擦り』という手作業。この時、グラインダーという円盤カッターの導入によって江戸切子は180°変わりました。より繊細なカットが可能になり、品物の質も揃うようになったんです」と淑郎さん。まさに切子界の文明開化!

さらに、ここへ合流したのが職場を失った薩摩切子の職人たち。彼らによって、色ガラスの技術がもたらされ、江戸切子はまさに鬼に金棒状態に! 現代の切子市場は色被せガラスが約7割という事実からも、江戸切子にとって、このインパクトがいかに大きかったかがうかがえます。

切り子の見方 切子の価値●
“芸術性”が価値に含まれる切子では、ビギナーが的確に価格を判断するのはまずムリ! しかし「理屈やスペックで測れないことこそ “工芸”の楽しみ」と淑郎さん。でも少しでも良いものが欲しい!と目利き力を鍛えたい人は「良いものを数多く、注意深く見て、見比べてみること」が第一歩とのこと。まずは線のズレや交差の正確さなど、カットを注意深くチェックすることから始めるべし!

有限会社 小林硝子工芸所

1908年、初代・小林菊一郎が切子職人になったことから始まった老舗工房。その後、後に2代目となる長男の英夫と共に現在の猿江にて開業。1973年に淑郎が3代目を、また2010年に淑郎の長男昂平が4代目を継ぐ。現在は工房に直売所、切子教室を併設している。

〒135-0003 東京都江東区猿江2-9-6
電話・FAX:03-3631-6457
Mail:del2salusa1@yahoo.co.jp

《直営店》
営業時間:10:00〜18:00(12:00〜13:00は休憩時間)
定休日:祝日
※ 駐車スペースあり。
※訪問時は、前日までに要連絡。

写真・取材・ 文/POW-DER

(参考文献)
●江戸切子―その流れを支えた人と技 / 山口 勝旦
●NHK 美の壺 切子 (NHK美の壺) / NHK「美の壺」制作班 (編集)

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