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大漁旗から生まれたお洒落な小物たち。宮城県石巻「FUNADE」~グレーな地域をカラフルに染めて~

大漁旗から生まれたお洒落な小物たち。宮城県石巻「FUNADE」~グレーな地域をカラフルに染めて~

一瞬で目を引く、色とりどりの小物たち。

東日本大震災をキッカケに宮城県石巻へ移住し、“大漁旗”を素材にしたオリジナルブランド「FUNADE(フナデ)」を立ち上げた代表の田中鉄太郎さん。地元漁師たちの宝物である大漁旗300枚を託され、最初につくったのはバッグや帽子、ブレスレットなどでした。

大漁旗が素材なんてデザイン性は大丈夫?と思われるかもしれません……。しかし、見てください! この可愛らしくて、カッコいいアイテムの数々。

ブレスレットなどの小物は色を全面に細く切り、質のよい皮などと編み込んで高級感を出していきます。大漁旗は1枚ずつ模様が違うため、型にはめたデザインが決められないのが大変ですが、それがつくり手として楽しいポイントでもあるそうです。初期につくったアイテムたちは好調に売れていき、ここからアイテム数の拡大を目指します。

そんなとき、ちょっとした出来事が起こりました。布地を切り分ける中で、ほつれてしまう糸を見た女性スタッフが「大切な大漁旗なのに、糸でも捨てるのはもったいないですね」と言ったのです。

そのことをキッカケに、糸もなんとか使えないか? と、田中さんの周りにいたアーティストたちからもアイデアを募り、糸を主役にしたアイテムが生み出されることになりました。例えばこちらのピアス。

ベースの金具に色とりどりの糸が巻かれて、とても可愛い仕上がり。漁師の、そしてこの土地の宝物を大切にしたい……そんな想いが、新たなデザインを生み出したのです。他にも洋服や髪飾りなど、アイテム数はどんどん増えています。

また最近では他地域からコラボレーションのお誘いもあり、私がお邪魔した際には、東京都・武蔵野市、富山県・南砺市とコラボレーションしたブローチを制作されていました。

今後はどんなアイテムをつくっていきたいですか? 田中さんに質問すると、「照明や机など、家具にもチャレンジしていきたい」という意外な答えが返ってきました。理由は、小物や洋服よりも長く残せる可能性があるから。FUNADEの店舗には、既に大漁旗で彩られたカウンターが置いてありました。

写真のように大漁旗で包み込むような加工をすることによって、何年も何十年も大漁旗を愛でてもらうことができるのです。

FUNADEのアイテムは現在、地元漁師の奥さんたち8人とFUNADEのスタッフで制作しています。震災直後、漁が不安定で時間の空いてしまった漁師の奥さんたちに協力をお願いしたことがキッカケでした。当時、田中さんが奥さんたちに言われて忘れられない言葉があります。「震災でグレーしかなかった景色がカラフルになって、元気をもらったよ!」

それは“石巻に根ざした何か”で新たなブランドをつくりたいと、先が見えないグレーの景色のなか素材を探して石巻中を飛び回った田中さんが、はじめて大漁旗を見つけたときと同じ感動でした。

大漁旗には人を元気にする、前へ前へと突き動かすパワーがある。石巻復興の船出を願う気持ちから名付けられた「FUNADE」はいま、石巻以外の地域をも巻き込んで、さらなるチャレンジへ向けた航海に出ています。

●FUNADE
住所:宮城県石巻市中央1丁目4-3
電話番号:0225-98-8683
ECサイト:http://funade.shop-pro.jp/

 

撮影・取材・文/中川めぐみ
釣りアンバサダー 兼 ツッテ編集長。釣りを通して感じられる日本全国の地域の魅力(食、景観、人、文化など)を発見・発信するため、メディア「ツッテ」の運営や、初心者向けの釣りイベントを実施。自ら全国の港を飛び回っており、2018年は100地域での釣り旅を計画。レアニッポンでは全国の港町で見つけた地域や海にまつわるおもしろいものをお伝えしていきます。https://tsutte.jp

 

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