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「銀座もとじ」二代目 泉二啓太さんが考える『男の粋』とは

「銀座もとじ」二代目 泉二啓太さんが考える『男の粋』とは

磯部らんの“レアニッポン男子”に会いたい!

「男の粋は、きものに学べ」

「新しい時代の新しいきもの店」をモットーに、さまざまなお客様のニーズに応えられる、現代の町並みに似合う呉服をご提案している『銀座もとじ』。女性のきものだけでなく、日本初の“男のきもの”専門店『銀座もとじ 男のきもの』では、普段着としてのカジュアルなものからフォーマルな場所でのきものまで、さまざまなシーンに対応した男きものも提案しています。

『銀座もとじ』二代目 泉二啓太さん

男性のきものは、女性に比べるとどうしても色数が少なくなります。だからこそ、細部にこだわるのが男の粋。例えば、江戸時代に奢侈(しゃし)禁止令が出たことによって、表地を地味にし、裏地にこだわる「裏勝り」として見えないところで遊ぶことが流行りました。チラッと脱いだときにお洒落です。暑くもないのに、あえて脱いで見せるなんてことも。羽裏に春画を描いたものなど、遊び心がありますよね。また、長襦袢で遊ぶという面白さもあります。

きものは伝統を守りつつ、遊べるところもたくさんあります。最近では、羽裏などのデザインを洋服のデザイナーやアーティストとコラボしたりもしています。フランスのドーメル社のウール(英国製)の生地をきものや羽織に仕立てることも。しっかりとした生地でありながら、しなやかで美しいドレープ感と光沢感があり、シワの回復力も高いので扱いやすく、スーツに慣れたビジネスマンには、ウールきものは始めの一着としておすすめです。結婚式の二次会やちょっとしたパーティなどで注目を集めること間違いなしです。

日本の男性は総じてお洒落で、身だしなみへの気遣いを感じると啓太さんは語ります。スーツの裏地で遊ぶ、ディテールやスペックに注目する、シャツやネクタイとのVゾーンコーディネートに一家言ありなど、細部にこだわるお洒落は男性ならでは。そう考えると、現代の男性のお洒落スピリッツは、きものを日常的に着ていた時代に培われたのかもしれません

また、小物に凝りたくなるのも男性ならでは。啓太さんとデザイナー・JUNYA WARASHINAとのコラボレーションで誕生した銀座 もとじオリジナルのクラッチバッグなど、「銀座もとじ 男のきもの」には、ありきたりでないこだわりの“小物”が揃っています。

上写真で啓太さんがお持ちの「泉二啓太×JUNYA WARASHINAプロデュース 2WAYクラッチバッグ」 12万8000円(税込み)

きもの姿に似合うトランクを探して、店主 泉二弘明さんがとうとう見つけたという逸品が、こちらのトランク。奈良時代から江戸時代にかけて発展した柳行李を基礎に、大正末期から昭和初期にかけて製造され始めたファイバー製の鞄が原点。飛行機の機内に持ち込めて、きものを畳んだときにシワにならない大きさ。きもので旅に出かけてみたくなります。

「トロリーバッグ」(銀座もとじオリジナルカラー) 19万4400円(税込み)

きもののTPOは、基本を押さえたうえで応用すること。袷(あわせ)の時期、単衣(ひとえ)の時期など、決まりごとはあります。「それを知ったうえで、あえて崩してみるのはアリだと思うんです」と啓太さんは言います。基本は一緒にいる人、お呼ばれのときなどはお招きくださった方に恥をかかせないこと。その決まりを守りつつ、ライフスタイルに合わせて、多少の着方のアレンジは楽しみ方の一つではないでしょうか。マナーも同じです。知らなくてできないのと、知っているけどあえてしないのとは違います。きものの基本を押さえたうえで、自由に楽しむ。そう考えると、自分なりのきものの着方を試してみたくなりますね。てぬぐいや扇子、根付、羽織紐……こだわりは尽きないようです。

「格好つけること」。それが、色気のある男性になる秘訣だという話になりました。きものの装いもそうですが、男性としての生き方すべてにおいて。ちょっと背伸びをして、自分のスタイルを意識すること。横並びで同じ格好をするのではなく、独自のライフスタイルを持つこと。これが、粋でダンディな男になる秘訣では? そして、若いうちにたくさん失敗して、恥をかくことも大切です。まずは形からでもよいのでは、と啓太さんは語ります。形から入って、後から中身を埋められるよう精進する。心は自然に寄り添ってきます。まだ早いかな?ではなく、若いうちからきもの文化に親しむ、それが、粋な大人になるコツなのかもしれません。「僕もまだまだ勉強中なんです。幸い、素敵な大人の方々との出会いも多く、日々勉強させていただいています。現在進行形で、失敗もたくさんしているんですけどね(笑)」

粋な男になる秘訣は、きもの文化に学ぶこと! ぜひ、きものを生活に取り入れて、カッコいい男になってください。そんなニッポン男子が増えてほしいと思っています。そうです、これは筆者である私の願いでもあるのです。

『銀座もとじ 男のきもの』

●銀座もとじ HP
URL:http://www.motoji.co.jp/

 

取材・文/磯部らん
文筆業・マナー講師。日本酒やモノに関するエッセイや雑誌の取材記事、書籍を執筆。利き酒師として、日本酒と風呂敷・酒席でのマナーについての講師としても活躍。著書に『正しい敬語どっち? 350』『イラストでよくわかる 敬語の使い方』『超入門 ビジネスマナー 上司が教えない気くばりルール』『人から好かれる話し方・しぐさ 基本とコツ』などがある。http://www.isoberan.com/

撮影/赤石 仁

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