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【富山・五箇山】釣りアンバサダー「日本昔ばなし」の世界を旅する

【富山・五箇山】釣りアンバサダー「日本昔ばなし」の世界を旅する

全国の港を飛び回る【釣りアンバサダー 中川めぐみ】――2018夏の出会い

私は釣りを通して感じられる地域の魅力(食、景観、人、文化)を発見・発信する仕事をしており、日々、全国の港を飛び回っています。2018年の目標は1年で100釣り。この夏は大きく分けて20の地域を訪れました。

「そのなかで特に印象深かった出会いはなんですか?」そんな質問をよくいただくので、レアニッポンという場を借りて発表させていただきます。題して、「全国の港を飛び回る釣りアンバサダー、2018年夏の出会い5選」。第2弾は、富山県の山奥で出会った「リアル“日本昔ばなし”の世界」です。

8月上旬、富山県の岩瀬という土地で海釣りをしました。

富山湾は「天然のイケス」と呼ばれ、日本海に生息する800種の魚介のうち、なんと500種が獲れるそう。その理由は、沿岸から沖に向けて一気に水深が深くなる独特の地形に。まさに「イケス」のようにぽっかり開いた巨大な穴のなかに多数の隆起があり、魚介類の格好の住処となっているのです。

そして地形の他にもうひとつ。立山連峰など周囲の山から栄養分タップリの水が流れ込み、魚介たちがすくすく成長する環境が整っているそう。その話を聞いたら魚たちを育んでくれる山に関心がわき、珍しく山へ向かうことにしました。

富山といえば立山連峰の黒部ダム辺りが有名ですが、今回はもうひとつ有名な場所。富山県の南西に位置し、世界遺産にも登録される隠れた秘境「五箇山」へ。富山の中心部から車で約1時間。電車とバスを乗り継ぐと約2時間。

山々を越え、トンネルをくぐり…。奥へ奥へと進んだ先に急に現れるのが、

この「日本昔ばなし」のような風景です。まるで数百年も昔にタイムスリップしてしまったかのようなこの世界。

どこを撮っても絵になります。井上陽水さんの「少年時代」が聞こえてくるよう。もちろん春夏の桜や紅葉の季節も美しく、冬は雪が積もって幻想的な世界が見られます。

象徴的な三角屋根は「合掌造り」と言われる建築物。仏様を拝むときの“合掌”の姿に似ていることから、そう呼ばれるようになったそう。世界的な豪雪地帯であるこの地で雪が屋根に溜まって崩壊するのを防ぐよう、屋根は急なものでは六十度という勾配に。

そしてかつては養蚕が盛んだったため、一階に囲炉裏を構え、その天井を簀の子張りにして熱気を二階へ送り、暖が保たれる二階で蚕を育てる…など、さまざまな工夫が詰まっています。古いものでは四百年、多くが百年〜二百年前に建てられたというこれらの合掌造り。趣ある見た目に加え、数百年も昔に考え抜かれた知恵の数々に感動してしまいます。

驚くべきはこの合掌造り、一部を除いてほとんどが現役の住居や店舗として活躍しています。

民宿「弥次兵衛」

宿泊できる建物もあるので、せっかくなら一泊して中からも合掌造りを味わってみてはいかがでしょう。

囲炉裏を囲んでのお食事も風情があって楽しいです。村を歩き回って疲れたら、休憩しましょう。喉が渇いたときには、村の中にあるお茶屋?がおすすめ。

こちらも映画のセットのよう。暑い日にはカキ氷とラムネ、寒い日にはおでんやぜんざいはいかがですか?

お腹が空いたときは、合掌造り地帯から車で10分ほどの「いわな」へ。店名の通り、美味しい“いわな”を食べさせてくれます。

店の入り口にいわなが。〆たてを食べさせてもらえる

いわなと言えば焼きが一般的ですが、こちらでおすすめなのは“にぎり”。川魚なのにまったく臭みがなく、噛むほどに爽やかな甘みが沸き出してきます。

村の方と仲良くなり、収穫体験をさせていただく

山々に囲まれ、昼も夜も聞こえるのは風と虫の鳴き声だけ。人々はおおらかで優しくて、自分と違う時の流れを生きているようでした。

ここは本当に異世界だったのかもしれません。

普段は“海”という非日常に癒され刺激をもらっていますが、“山”もよいものだなと思いました。

 

撮影・取材・文/中川めぐみ
釣りアンバサダー 兼 ツッテ編集長。釣りを通して感じられる日本全国の地域の魅力(食、景観、人、文化など)を発見・発信するため、メディア「ツッテ」の運営や、初心者向けの釣りイベントを実施。自ら全国の港を飛び回っており、2018年は100地域での釣り旅を計画。レアニッポンでは全国の港町で見つけた地域や海にまつわるおもしろいものをお伝えしていきます。https://tsutte.jp

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