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【宮城】極上の「TKG」レシピ! 仙台みそで卵黄を漬けてみた

【宮城】極上の「TKG」レシピ! 仙台みそで卵黄を漬けてみた

銀座の高級すし店からファーストフード、コンビニエンスストア、カップ麺やスナック菓子にも用いられ、家庭でも全国的に食されている「仙台みそ」。その人気とおいしさの秘密を探りに、宮城県北部の大崎市松山にある「仙台味噌醤油株式会社」の工場を訪ねました。女性では宮城県内で二十数年ぶり、2人目となる1級みそ製造技能士の資格を取得した佐々木史乃さん直伝、極上TKG(たまごかけごはん)のための仙台みそレシピをご紹介します。

●卵黄のみそ漬け●
材料
仙台みそ300g
みりん(または酒) 大さじ3
卵 4〜6個
※新鮮な卵を使いましょう。保存性は低いのでお弁当には不向き。

 仙台みそとみりん(または酒)をよく混ぜる。みりんだと甘めに、酒だと辛めに仕上がるのでお好みで。
 ①の半量をふた付きの容器に敷き詰め、表面をならす。
 ②の上に広げたガーゼを載せてみそに接着させる。
 ガーゼに卵黄と同じ数のくぼみを作り、卵黄を落とす。
 卵黄の上に広げたガーゼをのせる。
 ⑤の上に残りのみそをのせる。

 ふたをして約2日間冷蔵庫で漬ける。日数は好みによって調整。長いほど塩味が強くなる。
 ガーゼをめくって取り出せば完成!

丸2日漬けたものを試食させていただきました。卵黄のうま味とみその風味が閉じ込められて、実に味わい深いこと。佐々木さんによると、浸透圧により卵黄の水分が抜け、みその酵素が働いて卵黄のうま味が凝縮され、みそ自体の味が染み込んでいるそうです。

ねっとりとした独特の舌触りで、見た目も食感もからすみのよう。塩味が効いているので卵黄1個でごはん1膳を平らげられました。この卵黄を炊きたてのごはんにのせれば、しょうゆいらずの極上TKGが完成。仙台みそのみそ汁を合わせれば完璧です。日本酒のアテとしてもぴったり。同手順でクリームチーズや豆腐などをみそ漬けにしても楽しめるそう。

「仙台味噌醤油株式会社」1級みそ製造技能士 佐々木史乃さん

■仙台みそとは……

仙台みその歴史はおよそ400年前、仙台藩祖伊達政宗公の時代にさかのぼります。兵糧や戦陣食として重要視されていたみそを自給しようと、政宗公が御塩噌蔵(ごえんそぐら)という日本初のみそ工場を設立。みそ醸造業従事者らによる「味噌仲間」が原料の配合比率や製造方法、価格を定めた「味噌屋仲間掟留帳」を作成し、仙台みその基準を管理し技術と品質を守りました。みそは、原料の大豆・こうじ・塩を混ぜ合わせ、こうじ菌と酵母の働きで発酵熟成させて造ります。使うこうじの種類によって大きく3つに分類され、米こうじを使う米みそが国内全体の8割で、そのほかに麦こうじを使う九州地方の麦みそ、豆こうじを使う名古屋を中心とする中部地方の豆みそがあります。同じ米みそでも地域によって豆の煮方や原料の配合比率、熟成期間の違いで色みの異なる多様なみそが造られていて、仙台みそもその一つ。例えば信州みそでは原料の大豆を煮るのに対し、仙台みそはじっくり蒸し上げる製法を取り、それによってうま味を引き出しています。

1級みそ製造技能士の資格を持つ製造部製造課長の田中克典さんに
■仙台みその魅力と疑問について尋ねてみました。

Q. 仙台みそならではの味わいとは?
A.「仙台みそは長期熟成タイプで、一般的には“赤みそ”と呼ばれる辛口系の米みそ。大豆のうま味と米こうじの甘みと香りが感じられ、後味がすっきりしているのが特徴です」

Q. どんな料理に向いているんですか?
A. 「仙台みそには素材の臭みを包み込む“マスキング効果”があるので、豚汁に使えば豚肉の臭みが消え、青魚のみそ焼きやみそ煮では生臭さが消えて柔らかくなります。すっきりとした味わいを生かして、素材の味をそのままに仕上げたいときに使うという料理人の方が多いです」

Q. 粒みそとこしみそ、どちらがオススメですか?
A. 「使い分けは……お好みで。とはいえ、大豆の粒が残っていることも仙台みその特徴のひとつなので、できれば粒みそをお召し上がりいただきたいですね。みそ汁の底に大豆の粒が残るのが気になる方は、こしみそを使ってみてください」。

Q. 正しい保存方法は?
A. 「一度開封したら、みその表面が空気に触れないようにすることが大切です。空気に触れると菌が繁殖しやすくなって品質が悪くなり、風味も落ちてしまいます。カップタイプであれば、表面を平たくならして上にのっている白い紙を密着させてください。あの紙、捨てないでくださいね! 袋詰めの場合は、使うたびに袋の口をしっかり閉じて空気が入らないように。密閉容器などに移し換えて、表面にラップを密着させてふたをするのもいいですね。そして、冷蔵保存してください。開封前であれば冷凍庫での保存もオススメ。仙台みそは塩分濃度が高いので、硬く凍ることがないんです」。

仙台味噌醤油 わさび沢工場

■仙台味噌醤油株式会社について……

創業1919年、来年で100周年を迎える仙台味噌醤油株式会社。「ジョウセン」ブランドの仙台みそ、しょうゆ、関連加工品の製造販売を行っています。1998年には本社のある仙台市若林区古城から現在の場所へ工場を移転。昔ワサビが採れる沢があったことから付いたとされる「山葵(わさび)沢」という地名からもわかるように、良質な水のある場所で醸造しています。敷地面積2万8000坪の工場は県内一の生産能力を誇り、みやぎ食品衛生自主管理認証制度(みやぎHACCP)の認証も受けました。現在も伊達政宗公の時代から変わらぬ配合比率をベースに独自の製法を組み込んで仕上げ、原材料やこうじの具合、熟成発酵の異なるさまざまな商品を展開。主力製品はモンドセレクション最高金賞を10年連続受賞している「本場仙台みそ 750g」で、10年以上にわたり年間200万個を出荷し、北海道から九州までのスーパーに置かれています。国産大豆と国産米で仕込んだ無添加の「国産原料無添加仙台みそ 650g」、匠の技による製法で造られた高級ライン「名工 500g」などもラインアップしています。

仙台味噌醤油株式会社ではさらなる品質を求め、オーガニック(有機栽培)商品の開発にも力を入れています。農薬・化学肥料の不使用や添加物の使用制限などの基準に照らして認証が与えられる「有機JAS」の制度が制定された1999年に、同社では認証をいち早く取得しました。 写真左/2018年10月に有機原料を使った定番商品「やさしいおみそ 300g」を新発売。オーガニックで体に「やさしい」、店頭価格500円とワンコインで財布に「やさしい」、簡易的なパッケージで地球環境に「やさしい」みそになっています。

仙台味噌醤油
URL:http://www.sendaimiso.co.jp/

取材・文/菊地正宏
大船渡生まれ仙台在住のライター/漁業ジャーナリスト/編集者。仙台経済新聞編集長。

撮影/久保田彩子

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