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開け、KOUBA!「燕三条 工場の祭典」で モノづくりの魅力を体感

開け、KOUBA!「燕三条 工場の祭典」で モノづくりの魅力を体感

「燕三条 工場の祭典」とは

新潟県のほぼ中央に位置する燕三条地域(燕市、三条市)は、金属製品を中心としたモノづくりの産地で、両市合わせて金属加工に携わる業者数は3000を超えます。和釘にモノづくりのルーツを持つ、まさにモノづくりの町。そんな燕三条の現場を身近に感じることのできるイベントが、毎年10月に開催されています。

「燕三条 工場の祭典2018」は10月4日(木)から7日(日)の4日間、燕三条地域とその周辺地域で開催されるイベントです。伝統技術を継承している職人たちが多種多様な製品を作り出す「KOUBA(工場)」、信濃川沿いに面した肥沃な大地で米や農作物を育む「KOUBA(耕場)」、実際に職人が作った製品を販売する「KOUBA(購場)」。工場の祭典ではこれら3つのジャンルに分かれた「KOUBA(こうば)」を訪れ、モノづくりを体感することができるのです。

職人の高齢化や後継者不足など地域の抱える問題の解決策として始まった「燕三条 工場の祭典」ですが、年々来場者数を増やし、2017年は初年度の5倍にもなる5万人を超えました。最近では、海外のバイヤーも燕三条のモノづくりの現場を見に足を運んでいるほど。開催6回目となる今年は、「開け、KOUBA!この秋、燕三条の真髄を体感する」というテーマのもと、109のKOUBAが扉を開きます。そのなかから、筆者オススメのスポットをご紹介します。

■工場(KOUBA)

海外からも注目される「日野浦刃物工房」

明治38年創業の「日野浦刃物工房」は、自由鍛造の技術を用い、特殊刃物や型変わりの鉈(なた)、和製ナイフなどを要望に合わせてオーダーメイドにも応えられる高い技術を持った鍛冶屋さんです。

営むのは、伝統工芸士に認定されている三代目である日野浦司(ひのうら つかさ)さんとその息子である四代目・日野浦睦(ひのうら むつみ)さん。工場内には鉄を叩く音が響き渡り、今までに作った鉈などの型が壁一面に並んでいます。

日野浦刃物工房は、海外からも注目される三条の工場の一つで、受注の8割はなんと海外からといいます。イベント期間中は、鉈の鋼付けを間近に見ることができます。高い技術を持った職人仕事をぜひ、お見逃しなく。

日野浦刃物工房四代目・日野浦睦さん

●日野浦刃物工房
住所:三条市塚野目1-9-15
電話:0256-38-0051
【鉈の鋼付け実演 】
内容:日本の伝統技術の鋼付けを午前・午後と皆様の間近で行います。火花が飛ぶ可能性がありますのでご注意ください。
日程:2018年10月4日(木)、10月5日(金)
時間:10時〜、14時〜 ※1回あたり10分
定員:15名
料金:無料

■耕場(KOUBA)

自然を手本にした暮らしを提案する「ハーヴェスト」

燕市でハーブ苗を中心に栽培する花苗生産農家「ハーヴェスト」。ハーブ栽培に加え、米(コシヒカリ)、果樹(巨峰、ブルーベリー)の生産・販売のほか、ガーデニングの提案、ハーブの使い方や育て方などのハーブのある暮らしの提案もしています。

養蜂も行っているオーナーの土田信行さん。農園の敷地内にあるコテージの脇には、オーナーお手製のピザ窯もあるので必見です

イベント期間中は朝7時半から10時まで、ハーブを自分で摘み、その場でフレッシュなハーブティーを飲める体験も行なっています。朝早めに出かけて新鮮なハーブティーを飲み、今日はどこを巡ろうか考えるのも楽しいですね。

ハーブやガーデニングに興味がある人はもちろん、自然に囲まれた暮らしを見てみたい方などにぴったりな場所です。三条にある「patisserie ROOTS」さんとのコラボでオリジナルハーブの焼菓子の販売も行うそうなので、気軽に足を運んでみてください。

●ハーヴェスト
住所:燕市井土巻1-458-3
電話:090-2724-6536
【ハーブティー体験 】
内容:ハーブ摘み取り体験後、ハーブティーを淹れてお飲みください。(ご希望の方はお越しの際に申し出てください。)
日程:2018年10月4日(木)〜10月7日(日)
時間:7時30分〜10時
定員:なし
料金:500円

■購場(KOUBA)

愛着を持てる商品が並ぶコーヒー店「ツバメコーヒー」

「ツバメコーヒー」は2012年にオープンした自家焙煎コーヒー店。名前の由来はもちろん「燕市にあるから」。燕市に欠かせないお店になるために、オーナー自身が本当にいいと思う場所づくりをしています。

カフェの店内には壁一面に書籍や写真集が並び、大きなガラス戸から見える庭を眺めながらひと息つける落ち着いた空間となっています。

ガンジー牛乳を使用したカフェラテ 500円(税込み)。牛乳に甘みが感じられる、ホッとする一杯
広々とした庭。天気のいい日は庭のテラス席も利用できます

「真剣に工場を見学すると、集中するので案外疲れますよね。本を見たり、庭などでゆっくり過ごす時間をとってみてはどうでしょうか」とオーナーの田中辰幸さん。

また、カフェにはヘアサロンとショップが併設されていて、ショップには燕三条エリアでつくられた製品はもちろんのこと、長く使うことを前提として経年変化を愛せるようなセレクトが並びます。

KOUBA見学の合間にホッとひと息つくもよし、燕三条ならではのお土産を探しに立ち寄るもよし、工場の祭典は広域にわたるため、コーヒーをテイクアウトして移動のお供にするのもいいかもしれません

●ツバメコーヒー
住所:燕市吉田2760−1
電話:0256-77-8781
営業時間:11時〜18時
定休日:月曜・火曜

■レセプション

工場でライブ!?「奏でる工場」

「燕三条 工場の祭典」では、夜もさまざまなイベントが行われ、KOUBAが開きます。参加企業のKOUBAを会場に各種レセプションパーティーを開催しますが、その一つが今年で3回目となる「奏でる工場」。

工場を会場にした音楽ライブで、工場だからこそできる演出の数々は毎年趣向を凝らしたものとなっています。ライブハウスとはひとあじ違う「奏でる工場」を、ぜひ体感してみてください。お酒も楽しめる「KOU-Bar」も同時開催していますよ!

ライブハウスにはない工場独特の匂いや響きが楽しめる、奏でる工場。使用する楽器にも注目!

●奏でる工場
開催場所:株式会社 テーエム
住所:三条市金子新田丙967
電話:0256-33-1200
日程:2018年10月5日(金)、10月6日(土)
時間:KOU-Bar 18時〜21時、LIVE 19時〜20時
料金:1000円(中学生以下無料)


「産地の祭典」で、産地の未来を創造しよう

日本全国、世界各地に点在するモノづくりの産地の「今」を体感できる「産地の祭典」も同時開催します。三条ものづくり学校を会場に、各産地の展示や販売、ワークショップやトークイベントなどを実施。産地の今を生きる人々と学び、ものづくりの町で産地の未来を創造しよういう試みとなっています。「産地の祭典」は「工場の祭典」から1日後、10月5日(金)〜8日(月・祝)の開催になります。

【2018 出店産地】
・オープンファクトリー五感市 / 岩手県南エリア
・山の形ストア / 山形県
・漆とロック・ほくるし堂 / 福島県会津若松市
・やってこ!シンカイ / 長野県長野市門前
・モノ:ファクトリー / 東京都・群馬県
・セコリ荘 金沢 / 北陸(石川・富山・福井)
・RENEW / 福井県鯖江市・越前市・越前町
・かもしか道具店×指勘建具工芸 / 三重県菰野町
・ARITA PLUS / 佐賀県有田町
・SWISS DESIGN KIOSK / スイス

「燕三条 工場の祭典」の案内所にもなっている、三条ものづくり学校

●産地の祭典
開催場所:三条ものづくり学校 多目的ホール
住所:三条市桜木町12-38
電話:0256-34-6700
日程:2018年10月5日(金)〜8日(月・祝)
時間:10時〜17時
料金:無料 ※コンテンツにより有料
URL:https://sanjo-school.net/?p=11987

世界に誇る伝統と技術を体感してみては?

燕市で作られている洋食器がノーベル賞授賞式の晩餐会で使われていることをどのくらいの人が知っているでしょうか。世界に誇る伝統技術がある町、燕三条。「燕三条 工場の祭典」は、伝統技術や新たな試みをしているモノづくりのリアルな現場を間近に感じることのできるイベントです。これほど多くの参加企業が門戸を開く機会などまずないでしょう。この貴重なタイミングに、新潟県・燕三条へ伝統技術と職人の心意気を感じにきてはいかがでしょうか?

●燕三条 工場の祭典 2018
開催日程:2018年10月4日(木)〜7日(日)
開催時間:9時〜17時
開催場所:新潟県三条市・燕市全域 及び 周辺地域
参加工場数:109拠点(工場:93社 耕場:8社 購場:8社)
URL:https://kouba-fes.jp/about-2018/

 

撮影・取材・執筆/斎藤 恵
フリーカメラマン
photo creation pupa 代表
1987年新潟県三条市出身。2009年北里大学保健衛生専門学院を卒業後、臨床検査技師として地元である三条市の産婦人科クリニックに勤務。6年半の勤務経験を経て2015年に退社するのを機にフリーカメラマンに転向。2016年photo creation pupa設立。新潟県の燕三条エリアを中心に商品・人物撮影、イベント撮影、動画撮影などをメインに活動。

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