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【三浦】夫婦で本編む出版社「アタシ社」の蔵書室「本と屯」

【三浦】夫婦で本編む出版社「アタシ社」の蔵書室「本と屯」

案内してくれたのは、街角の猫でした

アウトドアコーディネーター 小雀陣二さんが三浦半島の突端、三崎港のほとりで営むカフェ「雀家」にうかがい、懐かしい町並みが続く三崎下町商店街を歩いていたら、吉田戦車さんが三浦の風景を描いたのれんと遭遇。三崎港蔵書室「本と屯(たむろ)」……はたしてここは!?

漫画家 吉田戦車さん描き下ろしというのれんには、マグロに猫、海に本など、三浦暮らしの風景がタムロしています

のれんの隙間から覗き見していると、「どなたでもどうぞ、中へお入りください」との声が。招き入れてくれたのは、編集者であるご主人 ミネシンゴさんと、デザイナーである奥さま 三根かよこさんご夫妻。本の編集チームとしてはまさに最小単位。ご夫婦で本を作っている、三浦市唯一の出版社「アタシ社」でした。

築90年の船具店だったという建物の中に入ると本がぎっしり

ミネシンゴさん、三根かよこさんご夫妻

以前は逗子の自宅に事務所を構えていたそうですが、手狭になったこともあり、ドライブで訪れたこの場所に惹かれて昨年末に引っ越したそう。アタシ社にある2000冊の蔵書を並べて、2017年12月に「本と屯」はオープンしました。「ここは出版社が手がけている“図書館”のような場所なんです。本に、本を通じて人に、自然と出合えるような場所になれたら」と語ります。近所の子どもたちは、下校時にここに立ち寄って本を読みふけるそう。三浦に住む人たちにとっての休憩場所であり、三浦を訪れる人にとっての情報拠点ともいえる場所。

7月からはコーヒー、ジュース、スイーツなどのイートインサービスもスタート

「小上がりのスペースや2階をコワーキングスペースとして利用する人もいます。絵本、文学、エッセイ、美術書、漫画など、本のラインアップにはこだわっています」とミネさん。都内で仕事をしていたこともあるというお二人。都心から電車で約70分とアクセスのいい場所ですが、「どこか少し遠くに、自分たちのやりたいことをできる場所」を求めて、この地にたどりついたといいます。

「レアなものお見せしましょうか」と見せてくれたのは、なんと五右衛門風呂(ただし、かまど焚きではありません)。ここは夏、暑いんですよ~と言いつつ、不便さも受け入れて楽しんでいるさまがうかがえます

三浦の海と街に惹かれ、人とのつながりに導かれて移り住まれたお二人。人口減少が続き、神奈川県の市部で唯一「消滅可能性都市」となった三浦市では、空き家を活用したお試し移住プログラム「トライアルステイ」を行っています。この日もお試し移住中の方が「本と屯」をふらりと訪れていました。「お天気悪いし、Wi-Fi使えるココで本読みながら仕事しようと思ったんです」。

どなたでも、どうぞ中へお入りください――。その言葉がじんわりと染みて、「本と屯」を後にしました。またふらりと遊びに行きたい、そんな場所に出合えた三崎巡りの旅でした。

猫、まだいました(笑)

アタシ社の蔵書室「本と屯」
住所:神奈川県三浦市三崎3-3-6
営業:不定休
アタシ社HP URL:http://www.atashisya.com/

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