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【京都・伊根】「もんどり漁」釣りアンバサダー、京の海の伝統漁に挑む!

【京都・伊根】「もんどり漁」釣りアンバサダー、京の海の伝統漁に挑む!

自宅で放っておくだけでおかずゲット! 京の海の伝統漁「もんどり」とは

 

舟屋が立ち並ぶ美しい光景

今日のおかずは何にしよう。

日本中が献立を思い浮かべながらスーパーへ向かう頃、京都の北に位置する舟屋の町「伊根」では、住人が自宅の軒先へ向かいます。伊根では住人の多くが居住空間である「母屋」の他に、船や道具を保管し、作業を行う「舟屋」という建物をかまえています。

軒先(海側)から見た舟屋の中

舟屋は基本、海に直接繋がっており、ここから船を出したり引き揚げたりできるのです。そんな舟屋の軒先には海に向かってロープが何本も伸びています。このロープ、船に結んであるのかと思ったら違います。

その中の1本を手繰り寄せてみると、ズシリと重みが。綱引きのようによいしょ、よいしょとロープを引いてみると、巨大なカゴが揚がってきました。

手前にハタ、左奥にタコ
買えば2000~3000円はしそう

そしてカゴの中からビチビチという音と水跳ね。中にいたのは、立派なハタとタコです。

これは「もんどり漁」と呼ばれる伊根の伝統漁

カゴは一度入ると出られない仕組み

“もんどり”と呼ばれる大きなカゴに魚のアラなど余った食材を入れて海の中へ。そのまま一晩放っておくと、もんどりの中に魚や貝類が勝手に入ってくるという仕掛けです。住人がごはんのおかずをとるために始めたというこの漁は、お金も労力もかかりません。しかもカゴを垂らしておく場所が自宅の軒先なので、泥棒などにあう心配も低く、まさに「舟屋」という文化が育んだ伊根ならではの漁といえます。

獲れた魚はすぐ〆ておかずに

日常的にもんどりを行う家庭は減ってきたものの、今でもごはんのおかずを確保するために“もんどり”を海へ放り込む光景が見られます。また観光客に向けて“もんどり”を仕掛ける宿や飲食店も。

私が泊まった1日1組限定の舟屋宿「鍵屋」さんはそのうちの一つ。初日に私が引き揚げたハタは、翌日の朝食で出してくださいました。

朝食の前にもんどりのチェック
10匹以上入っていた

翌日のカゴに大物はいませんでしたが、小魚が大漁! これらも唐揚げや塩焼きで食べたらおいしそうです。ウニやサザエが入り込むこともあるらしく、引き揚げるときは宝くじの結果を見るようなドキドキ感があります。

先人が生みだした「もんどり漁」は今も子孫たちの台所を支えつつ、観光客への新たなコンテンツとして愛され続けていました。

撮影・取材・文/中川めぐみ
釣りアンバサダー 兼 ツッテ編集長。釣りを通して感じられる日本全国の地域の魅力(食、景観、人、文化など)を発見・発信するため、メディア「ツッテ」の運営や、初心者向けの釣りイベントを実施。自ら全国の港を飛び回っており、2018年は100地域での釣り旅を計画。レアニッポンでは全国の港町で見つけた地域や海にまつわるおもしろいものをお伝えしていきます。https://tsutte.jp

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