Close
ad-image
【新潟・三条・TREE】「田舎かっこいい」を地元で、仲間と表現したかった!

【新潟・三条・TREE】「田舎かっこいい」を地元で、仲間と表現したかった!

新潟県三条市「一ノ木戸商店街」に2017年4月オープンした「TREE」は、昭和初期に建てられた古民家をリノベーションした“やってみたいをカタチに”がコンセプトのお店。Wi-Fi&電源完備のカフェスペース、広々とした和室、燕三条の商品などを取り揃えたショップスペース、そして自慢のキャンプスペースを備えた、笑顔の集う宿り木のような場所です。

TREEバーガー750円、ホットコーヒー300円(ともに税込み)

地元での就職と、この街の歯車になりたいという想い

「TREE一番のこだわりがキャンプスペースなんです。この場所にはアウトドアの要素を入れて、“田舎かっこいい感じ”を出していきたかったんですよ。僕の実家の近くにあるスノーピークさんのアウトドア用品を使ったり、全部が全部ではないですが、田舎を楽しむために、田舎ってこうやったらオシャレになるんじゃないか、というのを表現しています」。

そう語ってくれたのは、マネージャーであり、TREEの立ち上げメンバーである中川裕稀さん。

TREEマネージャー 中川裕稀さん

高校を卒業し、音楽の専門学校に通っていたという中川さんは、ずっとギターをやっていてミュージシャンを目指していたそうです。「東京に憧れがあって、東京に行きたいってずっと思っていたんです。でもまぁ、普通の仕事はしたくないと思っていて、かといってそこまで才能がないのも自分でもわかっていたから、東京に行っても無理だなっていうのは痛感していて……」。

何か変わったことがしたい。でも何をしたらいいかわからない。というモヤモヤをずっと抱えている時に出会ったのが、今勤めているMGNET(マグネット)という会社でした。マグネットは燕三条地域を活動拠点に、モノづくりとモノづくりのための環境づくりをしている会社で、中川さんは社長の講演を聞いた際に衝撃を受けたといいます。

「業界からの還元と脱却」という社長の言葉に心を打たれた中川さん。音楽をやっているなら東京に行かなきゃいけないと思っていた中川さんはその言葉を聞き、地元に残って何かをやりたいと思うようになったといいます。でも、まだなにをしたいかが明確ではないので、マグネット社で学ばせてもらいながら働きたいという思いが出てきたそう。

マグネット社に入社を決めた中川さんは、学生時代からインターンとして働きはじめ、その後正社員へ。プロダクトマネージャーという立場でモノづくりの現場へ足を運び、いろいろな工場で一つの製品を作り上げていく仕事をしていました。

「仕事を通して、燕三条という街には世界レベルのものがいっぱいあるな、ということを気づかせてもらいました。すげぇ!って思う日々の連続です。学生の時にずっと憧れていた東京より、燕三条のほうが実はもっとすごいんじゃないかって思うようになりました」。

そうした日常の中で”自分もこの街のナニかの歯車になりたい”と思い立った中川さん。20歳の時、個人で音楽イベントを開催することに。

「ただの音楽イベントでは面白くないので、何か問題を解決したいなと思って。その当時三条には若い子が少ないといわれていたので、本当かな?という疑問から『GAKUENSAI』や『fiction』といった若者のツボをつくイベントを企画しました。60人ほどのお客さんが集まり大成功でした。その後も2回3回とイベントを繰り返すうちに失敗や挫折も味わい、チャレンジすることの大変さを痛感しつつも、自分で仕掛けることの楽しさを知りました」

日本一!工場前でハンバーガーを焼く男たち!?

そんな折、TREEの前身である施設が出店をやめることになり、その運営をマグネット社が引き受けることに。そして、中川さんがTREEのマネージャーを任されることになったのです。実は、その時の商店街のミッションは”若者で商店街を活性化させよう”でした。”街に若者を集めたい”と活動してきた中川さんに、白羽の矢が立ったのは当然かもしれません。中川さん自身も、自らのミッションと重なり、これはやりたい!と強く思ったと振り返ります。

飲食をメインにやることが決まっていたので、三条にある老舗料亭「遊亀楼 魚兵」に協力を仰ぎ、マグネット社と業務提携。中川さんはTREEのマネージャーと同時に、まちづくり事業部の部長に就任しました。「何をやるかじゃなくて、誰とやるかだから。お前が本気を出せる仲間を集めてこい」と、社長から言われた中川さんは、自主音楽イベントの運営を一緒にやっていた同じ地元の仲間に声をかけ、TREEの立ち上げのメンバーが揃ったそう。

「とにかくオープンまで時間がなくて……。引き渡しから3週間でオープンさせなくてはいけなかったんです。オープンの1週間前の段階でフードのメニューはできてなかったですし。寝ずに準備して、オープニングイベントの日はみんなヘロヘロでした(笑)」。

立ち上げメンバーとTREE 前にて

TREEでは、自分たちの店舗運営以外に、燕三条を中心としたさまざまなイベントへの出店にも力を入れています。テントを構え、外でハンバーガーやドリンクの提供を行いますが、その中で一番印象に残っているのは三条の企業のスペースを丸々使った出店だったと語ります。

「山谷産業という問屋さんのショップスペースをジャックして出店しました。燕三条の工場からの出店依頼もあります。僕らは”日本で一番、工場の前でハンバーガーを焼いているお店”でしょうね。いろんな場所に出店することで、もっともっとTREEを知ってもらえるきっかけになると思っています」。

地方だからこそできる「やってみたいをカタチ」に

2018年4月にメンバーが増え、考え方やできることの幅もさらに広がったTREE。「田舎でできないことを求めて東京に行く若者も多いと思いますが、田舎でもこんなに楽しく仕事ができる場がある、というモデルになりたいんです。地方のほうが可能性ありますよ、という写真や動画や文章を漠然と見ていても、見るだけじゃ夢は持てない。こんなことができるっていうことを、リアルな場からどんどん発信していきたいですね」と中川さん。

若者が地方創生なんて無理なのでは、という声も最初はあったそう。でも、誰もやらなければどんどん商店街のシャッターが閉まってしまいます。ワークスタイルもライフスタイルも、地方だから……というネガティブな視点で見るのではなく、地方だからこそ輝ける!場を見つけて楽しむことで、少子高齢化や空き家などの問題も解決に向かっていくのではないかと中川さんは話します。

「その根っこみたいなものをTREEが作って、大きく枝葉を伸ばしていきたいと思っています」

オープンから約1年半たったTREEは、若者だけでなく商店街のお年寄りも立ち寄る、まさに地域の交流の場となっています。「ここに来れば誰かに会えて、抱えていた問題をみんなで解決できる、そんな場になれば。”地方で仲間と、楽しいを仕事にする”ということを、僕らが身をもって体現していこうと思います」と中川さん。

燕三条という地域の魅力を知り、地方で働きたいという夢を持つ若者が一人でも多くなること。そのきっかけを作れる場として、TREEはこれからも大きく成長し続けていくことでしょう。

●TREE
住所:新潟県三条市仲之町2-15
電話:0256-55-1162
営業時間:カフェスペース:11時〜23時 ランチ:11時〜14時 ディナー:18時〜23時
URL:http://tree-sanjo.com

>>【新潟・三条】「TREE」地元を楽しむグランピングカフェ

取材・文/斎藤 恵
フリーカメラマン
photo creation pupa 代表
1987年新潟県三条市出身。2009年北里大学保健衛生専門学院を卒業後、臨床検査技師として地元である三条市の産婦人科クリニックに勤務。6年半の勤務経験を経て2015年に退社するのを機にフリーカメラマンに転向。2016年photo creation pupa設立。新潟県の燕三条エリアを中心に商品・人物撮影、イベント撮影、動画撮影などをメインに活動。

Close