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【愛媛】「下灘駅・下灘珈琲」から巡る「伊予&松山」スポット3選

【愛媛】「下灘駅・下灘珈琲」から巡る「伊予&松山」スポット3選

穏やかな瀬戸内海と気候をうつす、ひと温かいまち・愛媛県中予地方。日本一有名な、海が見える無人駅「JR下灘駅」そばでカフェ「下灘珈琲」を営む戸田英清さんから、伊予市と松山市の中予地方でおすすめのスポットを教えてもらいました。

戸田英清(とだひできよ)さん 1974年生まれ。愛媛県伊予市出身。松山大学を卒業後、東京の証券会社に入社。初赴任地の宮崎市で4年間勤務ののち、退社し愛媛へUターン。アメリカ留学後、ふたたび愛媛に戻り、フリーターに。その後、東京のウェディング企画会社に入社。2年後、30歳でウェディング事業「アルテフィーチェ」を起業。2017年、同社のカフェ部門で「下灘珈琲」をスタート。趣味のトライアスロンでは地元の大会で毎年完走。「体が引き締まって、Tシャツをかっこよく着られるんですよ」

■駅を包むゆるやかな空気に癒やされる「JR下灘駅」

戸田さんおすすめスポットの前に、まずは「JR下灘駅」と「下灘珈琲」をご紹介。すっかり有名になったJR予讃線の無人駅「下灘駅」。平日でも夕景をひと目見ようと、たくさんのヒトが訪れます。松山空港からは車で45分。もちろん、電車でも1時間ほどで行くことができます。ここから見渡すオーシャンビューは息をのむ美しさ。水平線の爽快さ、海に浮かぶ島々の陰影の美しさ。瀬戸内海は表情が豊かなので、雨の日もまた趣があります。

下灘駅といえばこの写真で有名

無人駅ですが、地元のひとたちがきちんと管理をしていて、構内に季節の花を植えたり、ここを訪れたひとたちがメッセージを書く「落書き帳」を何年も設置してくれたり。地域の温かな息づかいを感じるところも魅力です。

下灘駅構内には、住民の皆さんがコスモスやヒマワリなど季節の花を植えている
地元の「日喰(ひじき)老人会」が落書帳の設置を何年もしている。読んでみるのも楽しい

地域から愛される下灘駅。人気になりすぎて、違法駐車やゴミの問題も出ています。住民の日常を壊さないように、ぜひマナーを守ってお越しくださいね。

下灘駅の入り口。この建物の先に絶景が広がる

一人でゆっくりと過ごすことは今では難しいかもしれませんが、早朝などの時間帯を狙ってぼーっと過ごしてみてください。青い星に生きている実感や駅が持つ非日常感がじわりとこころに効いてきます。

●JR下灘駅
住所:愛媛県伊予市双海町


■丁寧なドリップで味わう「下灘珈琲」

下灘駅の向かいで営業しているのが、戸田さんのカフェ「下灘珈琲」。平日は午後3時ごろから日没まで、丁寧にドリップしたコーヒーを堪能できます。

白く、丸いフォルムの車が店舗

戸田さんは下灘が地元。駅が話題になるにつれ、「なにもないのがもったいない」と、2017年4月に下灘珈琲をオープンしました。「お客さんを待たせるのは本意ではないのですが、どうしてもおいしいコーヒーを飲んでほしいのでハンドドリップにこだわっています」と戸田さん。最高のロケーションで、最高のコーヒーの味わいをぜひ。

「ホットコーヒー」1杯350円・税込み。愛媛ならではの、こだわりのみかんジュースや、ビールもある

●下灘珈琲
住所:愛媛県伊予市双海町大久保3-8
TEL:089-992-1755(アルテフィーチェ)
営業時間:15時(土・日曜、祝日は11時)~日没まで
不定休

>>日本一有名な”海の見える無人駅”「下灘駅」で「下灘珈琲」にトキメク


■おいしいと健康を両立している絶品カレー「CURCOVA」

ウェディングプロデュース業もしている戸田さん。会社は、下灘駅から1時間ほど北に進んだ、同じ海岸沿いにあります。松山市の「土手内」というエリアで、下灘に負けないほど夕日がきれいなビュースポットです。会社から徒歩10分ほどの場所にある「CURCOVA(カルコバ)」は、県内屈指の人気カレー店。「どれだけ通っても食べ飽きることがない。体にやさしくて、おいしいカレーが食べられます」と、戸田さんは週1以上のペースで通っているそう。

「全部のせカレー」1050円・税込み。ハンバーグ、目玉焼き、チーズがトッピング。口溶けがやさしく脂もさらっとしている絶品ハンバーグは、目玉焼きの下に隠れています

この地域でとれたタマネギを中心に、牛肉と鶏肉のうまみが溶け出したスープ、本場インドのスパイスが合わさって仕上がる味は、一度食べたらやみつきに。使用する油は最小限で、ライスには無農薬天日干しのお米を使用。滋味深く、どこまでも“やさしい”カレーは、ルーの継ぎ足し式。最大2週間までの味の変化が楽しめます。

店頭には、今日が何日目のカリールウを提供しているか掲げられている

地域を楽しくしようと、UIターンをした共同オーナーのメンバーが日替わりでお店に立つ「CURCOVA」。カレー屋をめざしたわけではないのに、激ウマカレーを提供するまでになった、男たちの本気の遊び心も味わってみてください。

「CURCOVA」はJR予讃線の伊予北条駅から徒歩1分

●北条駅前大人のカリー工房「CURCOVA」
住所:愛媛県松山市北条辻434-3
TEL:089-904-5725
営業時間:11時30分~15時
不定休
URL:http://curcova.blogspot.com/


■海の絶景とハイクオリティの家具にであえる家具屋「Tower」

戸田さんの会社の隣にあるのが、家具ブランドの「Tower」。家具職人でオーナーの室 愛彦さんは、東京の有名インテリアショップ「IDEE」で腕を鍛え、2004年に地元・松山へ戻ってきました。「室さんのつくるソファは座り心地がバツグンで、この前、あるお店で『このイス、体になじむな』と思ったら、やっぱり室さんのものでした」と戸田さん。

この看板がTowerの目印。3階建ての白い建物
手作り家具なのに価格はリーズナブル。木の部分は丁寧に面取りしていて、家具への愛情が伝わる

Towerからは瀬戸内海が一望できます。土・日曜はドリップコーヒーを200円で味わえるので、カフェとしての利用もおすすめです。

「Tower」展示ルームからの眺め
目の前に浮かぶ「鹿島」にも乗船3分で遊びに行ける

●Tower
住所:愛媛県松山市土手内184-25
TEL:089-911-7797
営業時間:13時~17時(土・日曜は19時まで)
定休:火曜、祝日
URL:http://tower-furniture.com/


■希少な酵母が豊かに香る松山の味「労研饅頭」

松山人は甘いものが大好き。「坊っちゃん団子」や餡巻き菓子の「一六タルト」など郷土菓子がたくさん。代表的な甘味のひとつが、株式会社たけうちの「労研饅頭」です。

人気の商品は早めに売り切れるので午前中に行くのがおすすめ

「ろうけんまんとう」と読みます。漢字表記、なんともいかついですよね。昭和のはじめごろ、岡山県倉敷市の「労働科学研究所」(略して「労研」)で開発された饅頭(まんとう)から命名されたそう。

栄養が乏しかった時代に、中国伝来の味を日本人向けに改良したもの。株式会社たけうちの初代社長は松山夜学校の数学教師でした。生徒たちが学びつづけるために、稼ぐすべを身につけようと、労働科学研究所へ初代社長が学びに行き、酵母菌と技を持ち帰ったのがはじまりといいます。愛情深い先生だったのですね。

白いのれんが美しい。繁華街から路面電車で5分ほどの場所で、戦前から営んでいる
現在は3代目のご夫婦が営む

生地は、塩と砂糖、小麦粉と重曹のみでつくっていて、保存料も化学調味料も不使用。一口かじると、酵母の香りが鼻腔をくすぐります。「とてもやさしい味で、つい舌が思い出して無性に食べたくなるんです」と戸田さんも太鼓判を押します。

カウンターには、「黒大豆」「チーズ」「つぶあん」など常時14種類が並ぶ。どれも108円・税込み
木のセイロで蒸してつくりあげているので”ふっくら”。松山人は朝ごはんとして食べることも

戦前、全国20か所ぐらいにあった労研饅頭の酵母菌は、現在は”ここにしか残っていない”とのこと。大切に受け継がれてきた貴重な甘味をご賞味ください。

●労研饅頭
住所:愛媛県松山市勝山町2丁目12-10
TEL:089-921-8457
営業時間:8時30分~17時30分 (売り切れ次第終了)
定休:水曜
URL:http://home.e-catv.ne.jp/takeuchi/

今回おすすめした5選は、丁寧なしごとや真摯な思いから生み出されるモノ・コトばかり。ローカルの味は、作り手による地元愛の心ばえでもあります。ぜひ、愛媛の愛に浸ってくださいね。

撮影・取材・文/ハタノエリ
愛媛県松山市在住のライター、エディター、コピーライター。新聞記者を経てフリーに転身。現在、全国誌など多メディアで、地域のモノ・コトを広く伝えることをメインに編集・執筆。「襟巻編集室」を立ちあげ、本づくりもしている。

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