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【福井県は冬こそ楽しい!】冬旅のグルメ&絶景&奇祭「6選」

【福井県は冬こそ楽しい!】冬旅のグルメ&絶景&奇祭「6選」

突然ですが、2月7日は福井県民の日、正確には「ふるさとの日」(1881年に石川県、滋賀県から分離して福井県が設置されたことに由来)です。冬ならではの北陸の美味、雪深い地域にも楽しみが溢れる福井県。レアニッポンが出合った”冬の福井の魅力”をまとめてご紹介します。

■茹でたて越前がにを食べられる「かねとも水産」

越前漁港から車で約5分のところにある越前がに仲買「かねとも水産」では、仕入れたばかりの新鮮な越前がにとセイコガニを購入することができ、茹でたても食べることができます。お店では、越前がにのプロフェッショナル、かねとも水産の会長が、今朝獲れたばかりの越前がにを茹でるところでした。

大きな水槽に塩を入れ、一気にたき上げた熱湯の中にカゴに入れた越前がにを入れます。茹で時間は28分。なんとも豪快です!

茹で上がったばかりの越前がに。赤みを強めて真っ赤! もうたまりません! 茹でたての越前がにを、会長自らさばいていただきました!

まずはメスのセイコガニ。越前がによりも小ぶりで価格もリーズナブルということもあり、福井県の皆さんはこのセイコガニを食べる機会が多いそう。ちなみに越前がには来年の3月20日まで漁ができますが、セイコガニの漁は年内いっぱいまで。漁解禁からわずか2か月間しか、獲れたてを食べられないんです。

セイコガニの最大の特徴は卵巣の内子と受精卵の外子。外子はプチプチとした食感でご飯のお供に最高です! セイコガニの脚の殻は硬めなので、奥歯で殻を噛みながら身の部分をしごき出すと食べやすいそう。

そして越前がには、丁寧にほぐした脚の身を、カニミソたっぷりの甲羅に山盛りで! まさに贅沢の極み!

越前がにの身をたっぷりご飯の上にのせていただきます! セイコガニも味わい深いですが、越前がにはさらにふんわりと柔らかく、甘みが深い! あまりのおいしさに、無言で完食してしまいました。

>>越前がに漁解禁! 福井県三国港の夕セリ、越前港の朝セリを密着取材

かねとも水産
住所:福井県丹生郡越前町くりや49-1-10
TEL:0778-37-2550
URL: http://www.echizen-kanetomo.jp/

■ソウルフード「厚あげ」は、ごはん6杯イケちゃう最高のオカズだった!

越前竹人形の里

福井県福井市は油あげ・がんもどきの消費量が55年連続日本一という”油あげ王国”。中でも創業1925(大正14)年の谷口屋は、肉厚の油あげが名物として人気を博しています。今回は、福井県坂井市・越前竹人形の里にある、揚げたての油あげが食べられる谷口屋分店レストラン「旬の心」を訪れました。

揚げたての油あげなどが食べられる食事処として人気です

入り口横にはライブキッチン! 職人さんが油あげを揚げているところを、ガラス越しに見ることができます。

フライヤーの中には谷口屋分店専用ブレンドの菜種油、そして大きな豆腐が! 地元・福井県産と福岡県産のブランド大豆を使い、地下50mから汲み上げた白山禅定道の清水と越前海岸で採取したお店オリジナルの天然「越冬にがり」で作った、油あげ専用豆腐です。

まずは低温で、10分ほど豆腐を揚げます。

その後、高温のフライヤーで約40分揚げていきます。専属の揚げ師が、常に温度を微調整しながら約50分間かけ、油あげを仕上げていきます。

豆腐がふっくらとしてきました!

でき上がったばかりの、こんがりきつね色になった油あげのサイズは縦14cm×横13.5cmにもなるそうです。これは大きい!

サクッとした表面をカット、その厚さは4cm。しっかり中まで揚がっていますね。通常、油あげを食べるときは油抜きをしますが、福井県の方は油抜きをしないそう。むしろ、油を食べるために油あげを食べるのだとか。さすが消費量日本一! 早速、揚げたてをいただいてみます。外はパリッと、中はふんわりとした食感! じんわり出てくる菜種油がこれまたジューシー。クドさはまったくありません。いい菜種油を使っている証しです。

たっぷりの大根おろしとネギ、お店特製のタレで食べるとさらに旨味がアップ。塩で食べると、大豆本来の濃い味わいもよくわかります。お店では、この油あげがまるまる1枚ついた「油あげ御膳 1380円(税抜き)」が一番人気。

これまでこの「油あげ御膳」で、ごはん5杯もおかわりした方がいるそう。福井の皆さん、油あげがお好きすぎでしょ!

谷口屋の常務取締役で4代目の谷口弘晃さんは「油あげは“角”が一番おいしいんですよ! 子どもの頃は、よく取り合いしていました(笑)」と話します。油あげが冷蔵庫に入っていればなんとかなる、というくらい、福井の皆さんにとって暮らしに密着したソウルフード。福井に来たら、谷口屋の油あげは要チェックです!

谷口屋分店レストラン「旬の心」
住所:福井県坂井市丸岡町上久米田63-1 越前竹人形の里2階
TEL:0776-67-6070
営業時間:10時30分〜15時
駐車場:無料(普通車40台/バス大型8台・小型2台)
URL:https://taniguchiya.co.jp/

■福井県では、冬に「水ようかん」を食べるんです

酒万寿処 にしさか

地元を代表する和菓子店、1921(大正10)年創業の老舗「酒万寿処 にしさか」でいただいた、名物の酒まんじゅうと水ようかんをご紹介。水ようかんというと”夏の甘味”というイメージが強いですが、ここ福井では1960年代頃から冬に水ようかんを食べる食習慣が根づいています。

「酒万寿処 にしさか」さんでも、水ようかんの販売は11月初旬から3月中頃までの冬季限定。店先には冷やし中華よろしく、「水ようかんはじめました」の看板が。

福井の水ようかんは、箱に直接ようかんを流し込むスタイル。箱には木ベラが1つ付いています。福井の皆さんは、木ベラが口につかないようにしながら、家族みんなで水ようかんを食べるそう。

福井では黒糖を使った水ようかんが人気

店内には、真っ赤な大きなまんじゅう箱がいくつも積み上げられていました。福井の嶺北(れいほく)地域では、婚礼の際に嫁入り道具とともにまんじゅう箱にたくさんのまんじゅうを入れ、嫁ぎ先の親戚の方々に振る舞うそう。

こちらが酒まんじゅう。1個130円(税込み)。三国まんじゅうともいわれ、作り方は北前船の船頭さんによって伝えられたとされています。「長」の字の焼き印がシンボリック。この焼き印は、お店ごとに異なるそうです

この日は、実際に焼き印を付けるところを拝見しました。もち米と糀を用いた甘酒を熟成させ、小麦粉を加えて発酵・熟成させた種で餡を包み、蒸し上げた酒まんじゅう。お酒の芳しい香りがします。これを、トレーの上に20個並べます。

こちらが焼き印専用の機械。トレーをセットし、ボタンを押すとトレーが上昇。「チリチリチリ」と、焼き印が押される音が聞こえてきました。約40秒で焼き印が完了です。機械からトレーを出すと、より一層香ばしい香りが……。

焼き印を押したての酒まんじゅう。ちなみに「長」という字は、にしさかの創業者「西坂長次郎」から取っているそうです。

できたての酒まんじゅうを早速いただきます! 焼き印が押されたところはパリッと、中はふんわり。お酒の匂いで、ちょっと幸せな気分になれます。餡は甘さ控えめで、飽きのこない味わい。やっぱり、蒸し&焼きたてが一番おいしいそうです! 「まんじゅうが固くなったら、地元の人は油で揚げて、揚げまんじゅうにして食べている方も多いです」とのこと。親子2代で切り盛りする老舗和菓子店は、2年後に創業100周年を迎えます。

●酒万寿処 にしさか
住所:福井県坂井市三国町北本町4-2-14
電話:0776-82-0458
営業時間:8時~19時30分
定休:木曜日
URL: http://www.nisisaka.com/

■酒にも合う大人甘味「燻製干し柿」って知ってる?

福井県南越前町今庄に伝わる「今庄つるし柿」は、全国でも珍しい燻製にした干し柿。その味わいは、これまで食べてきた干し柿とひと味もふた味も違いました。

「今庄つるし柿」の歴史は、約450年前の室町時代。岐阜県から「長良柿」という柿を持ち込まれ、作り始めたのが始まりとされています。現在では今庄でも「長良柿」が栽培され、「今庄つるし柿」を作る際に用いられています。今庄は福井県でも最も雪深いところの一つで日照時間も少なく、通常の製法の干し柿ではカビが生えてしまうそう。そのため、囲炉裏で燻した干し柿が定着したのです。

北国(ほっこく)街道の宿場では、「一つ食えば一里、三つ食えば三里歩ける」といわれ、旅人の携帯保存食として知られるようになったそう。

「今庄つるし柿」の作り方は、一つ一つ丁寧に柿の皮を剥くところから始まります。

職人さんが持っているのは、木のさじに金具が付いた元祖ピーラーともいえる皮むき器。

まずはヘタの部分を丸く剥いたあと、縦方向に皮を薄く剥きます。

実際に体験させていただきました。ベテランの職人さんは一つ剥くのに1分もかかりませんでしたが、筆者は綺麗に剥くのに5分くらいかかってしまいました……。

皮を剥いた柿は、道芝(みちしば)で編んだ紐にヘタの部分を引っ掛け、吊るして燻製にしていきます。

柿は3~4日ほどいぶしたあとお湯で洗い、揉んでタネと実をほぐします。その後、晴れた日に1~2日天日干しして、再び乾燥させます。

乾燥させた柿は、元のサイズの半分以下に。

今年はまだ仕込み前だったため、昨シーズンに作られたものを試食させていただきました。デーツのような肉厚の実は独特なスモーク感、そして深みのある大人向きの甘味。ブランデーにつけて食べたり、チーズとのマリアージュを楽しむ人も多いそうです。「最近は、海外からもお問い合わせをいただきます。今庄つるし柿を次世代へ繋げ、地域の活性化へも繋げられるよう頑張っています」と、株式会社杉休(さんきゅう)の三浦政勝さん。

古の旅人が携帯保存食にした「今庄つるし柿」。その伝統の滋味を、あなたも味わってみませんか。筆者は、拙宅にてワインとのマリアージュを楽しませていただきました。

この冬の今庄つるし柿、届きました

●杉休
住所:福井県南条郡南越前町二ツ屋119-6-2
TEL:0778-45-0239
URL:http://imajo39.com/

■日本最大級のジップラインで白銀の森を飛びたい!

福井県池田町の「Tree Picnic Adventure IKEDA」が、2019年1月12日(土)より冬期営業を開始しています。数々のアクティビティの中でも注目は、全長約1km、最高地上高60mの雪の森を飛ぶメガジップライン。ジビエ料理や温泉など、福井県池田町のウィンターシーズンは今年も魅力に溢れています!

地上高60メートルの高さから、白銀の森の上を飛ぶ体験ができる「メガジップライン winter ver.」(往路480m、復路510m)。真っ白な雪山を飛ぶことができるのは、この時期のTree Picnic Adventure IKEDAだけ。スキーでもスノーボードでも味わうことができない爽快感が感じられます。

料金:4500円(税込)
利用条件:身長140cm以上、体重90kg未満の方
所要時間:90分
運行時間:10時~、12時30分~、14時30分~

酔虎夢のジビエ料理

山深い池田町では、猪や鹿、熊を冬の貴重な食糧として大切にいただきます。油の乗った猪の焼き肉や、濃厚な味わいが自慢の猪鍋、鹿のカツなど、この時期にしか食べられない絶品グルメを楽しむことができます。また、Tree Pinic Adventure IKEDAから徒歩5分の「渓流温泉 冠荘」では、露天風呂で冷えた体を温めることができます。

渓流温泉 冠荘

●酔虎夢(ジビエ料理) 福井県池田町土合皿尾 TEL:090-9768-5300 コース料理は4000円から(要予約)
●渓流温泉 冠荘(日帰り温泉・宿泊) 福井県池田町志津原 TEL:0778-44-7755

Tree Picnic Adventure IKEDAのコテージ・キャビン棟

●Tree Picnic Adventure IKEDA
所在地:福井県池田町志津原28-16
ウィンターシーズン営業日:2019年1月20日(日)~3月4日(月)期間中の土・日曜、祝日のみ(平日は10名以上の団体利用時のみ営業)
入場料:入場無料 ※プログラム毎に有料
駐車場:約200台
※2019年度のグリーンシーズンは3月16日(土)から営業開始予定
URL:http://www.picnic.ikeda-kibou.com/

■300年以上続く福井の奇祭「ごぼう講」とは

山盛りのごぼうを白米5合の物相飯とともに食らう。男性だけが参加できるしきたりで女人禁制。祭りの当番は持ち回りで順番厳守! 毎年2月17日に行われる、「惣田正月十七日講」とも呼ばれる奇祭「ごぼう講」。江戸時代中期の宝永2年(1705年)から300年以上、途絶えることなく続いているのです。雪深い、この時期になぜこのような不思議な祭りが長きに渡って行われてきたのか。実際に行ってきました。

「ごぼう講」の始まりは江戸中期の宝永2年(1705年)。領主の年貢が厳しくなり、地域の神社裏にある隠し田で収穫した米を密かに食べたのが起源といわれていますが、実際は不明とのこと。おそらく、年貢の厳しさから、土地を捨てて逃げるものを防ごうと「講」に参加させ、神社の蓄財の中から貸付を行う一方、冬の農作物である「ごぼう」を皆で集まって食べ、村の結束を強めたのではと推測されています。祭り当日は約50人の地域の男衆が紋付羽織り袴の正装で会場に集まり、神事ののち、酒を酌み交わしながら山盛りのごぼう料理を豪快に食べます。そして、今年一年の豊作や健康を祈願するのです。なんといっても興味をひくのは、お膳に供されるその食事。山盛りにして皿からあふれる味噌和えのゴボウと、茶碗に5合のご飯を高さ約15cmに積み上げた「物相飯(もっそうめし)」。半切りのたくあん、丸揚げにしたゴボウ、下駄割大根の上にのせた焼き豆腐1丁と唐辛子が1袋……これが一人分。場所の提供や料理の準備も含めて、これらは全部祭りを取り仕切る「宿主」が負担します。

これが一人前。山盛りの味噌和えゴボウ、高さ約15cmに積み上げた「物相飯」、半切りのたくあんと丸揚げにしたゴボウ、下駄割大根の上にのせた焼き豆腐1丁と唐辛子が1袋

現在は同町の45戸が「講宿帳(こうやどちょう)」の順番で開いているので、当番になるのはおよそ45年に一度。ある意味、宿主にとっては、地域内での存在感をアピールする一世一代の場。だから宿主が回ってくるのを機に(舞台となる)家をリフォームする人もいるくらい気合が入ります。

使っているのは青森産のごほう約300キロ! 糠に入った水にさらしてアク抜きしたあと、大きな窯でゆでます。ゆで上がったごぼうは冷めないうちにすりこぎでバンバンとたたいて繊維をほぐし、さらに食べやすく手で細くしていく。さらに砂糖を合わせた味噌であえ、樽の中で一晩漬けて翌日のメインディッシュに。別の鍋ではゆでたごぼうを丸切りにして醤油、味噌、砂糖、酒で味付け、油で炒めた「丸揚げごぼう」を調理。さらに大根を鶏がらスープや醤油、酒でじっくり煮た「下駄割(げたわり)大根」もつくられます。準備にめどがついたところで宿主は羽織袴に着替え、講人の家にあいさつ回りに出かけます。

かつては、国中神社の社務所で行われていた時代もあったようで、娯楽の少ない村の狭い人間関係の中での”男だけの楽しみ”でした。この地域に田畑や山を所有していないと参加することができなかったため、名誉でもあり、”いつかは講の宿主になりたい”という憧れでもあったという。個人の負担は小さくないが、「他の家がやるなら、うちもやる!」「うちの代で途絶えたとか言わせない!」といった”男の意地”的なプライドも刺激され、連綿と続いてきたのです。今では地域の象徴としても注目され、住民の絆を感じることのできる行事として定着しています。

取材協力:福井県観光営業部ブランド営業課

撮影・取材・文/中川マナブ(越前がに、油揚げ、水ようかん、燻製干し柿)
さんぽブロガー、旅ライター、Webプロデューサー。夫婦で東京のみならず、日本中の観光名所、グルメスポットを散歩してお出かけの「キッカケ」を発信。「地域ブロガーの会」を主宰するなど、地域ブロガーネットワークに精通。 https://tokyosanpopo.com/

取材・文/レアニッポン編集部(Tree Picnic Adventure IKEDA、ごぼう講)

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