Close
ad-image
【災害時、僕らができるボランティア】を「日本赤十字社」若き職員が語る

【災害時、僕らができるボランティア】を「日本赤十字社」若き職員が語る

「日本赤十字社」は、平成の30年間に発生した災害を振り返りながら、人々に防災に関する意識を高めてもらう目的で企画展「平成の災害と赤十字 ~語り継ぐ。過去から学び、未来に活かす~」を、2019年3月29日(金)まで開催中です。

平成30年間の、自然災害の歴史を辿るパネルを中心に、貴重な資料写真や災害救護活動にまつわる展示がされています

平成の30年間は、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、そして記憶に新しい西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震など、多くの自然災害が発生した時代でした。時代を追うごとに、生活スタイルなどが変化し、高齢者や子ども、障がい者など、被災者1人1人が抱えるニーズも多様化しています。日本赤十字社は、いずれの災害でも、発災直後から被災地入りし、赤十字ボランティアや自治体、他団体などと協力して災害救護活動を行ってきました。平成という時代の30年間、途切れることなく支援を続けてきたからこそ得た教訓を、今後いつ起きるか分からない大規模災害に活かすことが日赤の使命でもあるのです。

■「日本赤十字社」若き職員が語る、ボランティアへの思い

●佐藤祐輔さん● 日本赤十字社 パートナーシップ推進部 青少年・ボランティア課 主事 1992(平成4)年生まれ。新潟県三条市出身。2004(平成16)年「新潟県中越地震」の際、日赤の救護班の活動を知る。高校卒業の年の3月に「東日本大震災」が起きる。大学在学中に被災地・岩手県山田町へ赴き、現地の子どもたちへの学習支援、高齢者施設でのボランティア活動を行う。子どもから大人まで幅広く、息の長い支援をしていきたいという思いで、2016年に日本赤十字社へ入社。現在でも年に一度は山田町へ行き、街の様子などの視察、支援をしてきた子どもたちとの交流を続けている

新潟県三条市出身の佐藤祐輔さんは、2004年10月23日、小学校6年生のときに「新潟県中越地震」を体験しました。同年夏には同じ新潟県で豪雨災害もあり、自然災害やボランティアというものを身近に感じる一年だったと語ります。「その経験があったことで、中学・高校時代は、人のために、なにかできることをやっていきたい、と常に感じるようになりました」。生徒会活動や部活動に明け暮れた中学・高校時代。転機となったのは、高校卒業の年の3月に起こった「東日本大震災」でした。

2004年10月23日「新潟県中越地震」 震度7を記録した大地震。死者60人超、重軽傷者4800人超

「大学では社会福祉を専攻し、教員を目指していました。子どもたちへの支援をしたいという思いから、被災地への支援ができるゼミを通じて、東日本大震災の被災地である岩手県山田町へボランティアに行ったんです。現地では学習支援という形で関わらせていただいたのですが、当時勉強を教えていた中学生の子たちは、生活への不安からか、みんな勉強が手につかない。将来の夢も描けず、今を生きるのがせいいっぱいだったんです。学習支援を通して、まずは子どもたちの居場所をつくってあげたい、そして将来の夢を描けるようになってほしいと思いました。そのための関係性を築けるよう、子どもたちとたくさん話をして、土台づくりをしていきました」

岩手県山田町の子どもたちとの学習指導風景

大学時代は長期休みのたびに山田町を訪れ、学習支援を行ってきた佐藤さん。現地では自炊をし、生活者として過ごしていました。「地元の方が声をかけてくれたり、差し入れを持ってきてくれたり。ご自身の生活も大変なときなのに、僕のことも気遣ってくれたのは嬉しかったです。人の温かさを感じました」。当時の子どもたちとは、現在も交流が続いているそう。被災地のその後、復興の”今”を伝えていくことの重要性も感じていると語ります。

東日本大震災時に掲げられていた赤十字旗

大学卒業後、日本赤十字社へ入社。現在は、大学生から高齢の方まで、ボランティアをしやすくなるよう制度や環境を整えたり、各都道府県のボランティアの方への研修会、パートナーシップを結んでいる大学(上智大学、明治学院大学、聖心女子大学)の学生に向けたボランティア活動のメニュー提供や大学での講座を担当しています。「今の学生さんは、ボランティアに関心のある人が多いと感じます。海外の子どもたちへの学習支援や支援物資提供、ボランティアイベントなど、ボランティア活動に参加したいという意識のある学生は本当に多いんです」。

■災害時、まず、僕らが被災地の人たちにできることとは

専門的な知識も経験もない。そんな僕らであっても、災害時、なにかできることはないか。被災地の人たちのために、なにをしたらよいのか。佐藤さんにうかがいました。

「まずは、情報をしっかり見極める、正しい情報を入手することが大切だと思います。赤十字ボランティアの場合、事前に研修を受けていただく必要がありますので、身近なボランティア活動としては寄付があります。日赤にお寄せいただいた義援金は、全額被災地へお届けしています。また、日赤の活動資金にご寄付いただくことで、われわれの救護活動や現場のボランティア活動の支えにもなるんです。皆さんの気持ちは、きっと被災地のかたがたの力になるはずです。もし、ボランティアをしてみたいという気持ちが強いのであれば、災害時には被災地にもボランティアセンターが立ち上がりますので、登録することでボランティア活動に参加することができます。現地のニーズは刻一刻と変化しますので、各地で発信される最新情報を確認するようにしてください。そこでの経験が、継続的なボランティア活動への思いに繋がるようであれば、ぜひ日本赤十字社で研修いただき、ボランティアとしてご登録いただければと思います」

2018年9月「北海道胆振東部地震」の際、避難所に設置されたダンボールベッドも展示されています

現在、日本赤十字社に登録しているボランティアの方々は全国で126万人を数えます。「限られた人数の職員だけでは、災害時には手が回らなくなってしまいます。日赤の活動は、ボランティアの方々に支えられているんです。全国の、どこでなにが起きても、ボランティアの方々と協力して活動できる、”日本赤十字社の強み”を活かしていけるよう、これからも働きかけていきたいです」と語ってくれました。

■「平成の災害と赤十字 ~語り継ぐ。過去から学び、未来に活かす~」

開催期間:2019年2月19日(火)~2019年3月29日(金)
開催時間:平日 9時30分~17時 ※土・日曜、祝日は休館
入場料:無料
開催場所:日本赤十字社(東京都港区芝大門1-1-3)1階 赤十字情報プラザ
URL:http://www.jrc.or.jp/plaza
※会期中、毎週水曜15時からガイド付きツアー(1時間)も実施しています。詳細は上記ウェブサイトまで

撮影/八田政玄 取材・文/レアニッポン編集部

Close