Close
【長崎・壱岐】海女と釣り師のゲストハウス「みなとや」で、愛と魚に溺れよう

【長崎・壱岐】海女と釣り師のゲストハウス「みなとや」で、愛と魚に溺れよう

釣りアンバサダー 中川めぐみさんが訪ねる【長崎・壱岐】 Vol. 4

海女と釣り師のゲストハウス

「日本初! 海女と釣り師のゲストハウス」。このワードだけでわくわくしてしまうのは、私だけでしょうか。博多港からジェット船で1時間。対馬と九州の間に位置する長崎県・壱岐島(いきのしま)という離島で2016年4月にオープンしたのが「みなとやゲストハウス」です。

左が海女の香菜さん、右が釣り師の漁志さん(写真/たちまちウェブサイトより)

若いご夫婦が経営しており、夫の大川漁志さんは壱岐で生まれたプロの釣り師、奥さまの香菜さんはIターンしたプロの海女。2人の共通点である“魚を獲る”という特技を活かせる仕事を考えたとき、「せっかくなら自分たちで提供するところまでやりたい!」とゲストハウスをはじめたそう。

趣のある外観

建物はもともと「みなとや」と呼ばれていた築100年の古民家。基礎改修だけをプロに依頼し、他は島内外から集まってくれた多くのボランティアに協力してもらい、約9か月をかけて改修しました。

最大2名が泊まれる洋室
歴史を感じる廊下に、レトロモダンなライトがオシャレ

外観も内装も古民家の雰囲気を残しながらも現代風にアレンジされていて、居心地よくあたたかな空気に包まれています。

リビングルームはカフェ&バーになっている

とくに印象的だったのが、1階にあるリビングスペース。写真手前には大きなコタツ机、玄関側にはもっと広いダイニングテーブルが置いてあり、オーナー夫婦をはじめとしたスタッフとゲスト、さらには近所の方たちもごちゃ混ぜに交流できるようになっています。

夫婦で獲った自慢の魚を、みんなで食べよう

交流の象徴になっているのが夕食の時間。2人が獲ってきた自慢の魚をメインに大皿料理が並び、みんなで仲よくいただきます。

釣りアジのお造り
地元の海の幸と野菜たっぷりのカレー鍋

宿泊のみで食事がつかず、おのおので外食したり、備えつけのキッチンを使って自炊したりするゲストハウスが多いですが、“みなとや”では、ゲストハウスの食事をみんなで食べるというスタイルが人気。「どこから来たんですか?」「普段は何してるんですか?」「壱岐のオススメはなんですか?」「今の時期は何が釣れるんですか?」と会話がとまりません。

一番左がスタッフさん、右から2番目が漁志さん

おもしろいのが、漁志さんはじめスタッフの方たちとゲストの距離がすごく近いこと。“ゲストとホスト”という隔たりがなく、まるで友人の家に遊びにきたよう。漁志さんたちもゲストに交ざって普通にお酒を飲み、食事を楽しみます。各自が素のままで、しかし愛情をもって時間と空間を共有し、楽しんでいました。この雰囲気がクセになって、何度もリピートする常連さんもいるらしく、この日も10回は来ているという男性ゲストさんがいました。

海女と釣り師のアクティビティ
時季によって「海女女将が収穫したムラサキウニを割って食べるプラン」なども

“みなとや”のもう1つの魅力は、ご夫婦ならではのアクティビティの数々。壱岐の海を思いきり味わえるプランが揃っています。

港から海を覗きこむと魚がいっぱい

せっかくなので私も「海つり体験コース(2時間で2500円)」に参加。道具はすべて漁志さんが用意してくださり、レクチャーしてもらいながら釣りを楽しみます。壱岐の海は透き通っていて、目を凝らせば泳いでいる魚の姿が見えるほど。漁志さんがエサをまいて魚を集め、ゲストは釣りたい魚のそばに、針のついた糸を垂らします。

漁志さんと一緒に「釣れた記念」写真

「大きいの来た!」「逃げちゃった!」「釣りたいのはお前じゃない〜!」と、他のゲストと一緒に大盛り上がり。まるで天然のUFOキャッチャーにチャレンジしている気分でした。難しいテクニックは必要なく、とにかく釣りたい魚を目がけて糸を垂らし、針をくわえられて竿がしなったら巻き上げる……これだけでOK。常に漁志さんがフォローしてくれるので、初心者や小さいお子さんでも安心です。

釣ったアジでお造りと唐揚げ

釣った魚は夕飯で出していただくことも可能なので、釣りのアクティビティを予約するなら宿泊する日がオススメ。夫妻やゲストとの交流、そして壱岐の大自然を思いきり楽しみましょう(釣り方やターゲットは季節によって異なります)。

大切なのは、ただ「楽しい」こと
「たちまち」オープン時の写真(写真:たちまちウェブサイトより)

こうしてゲストたちを飾らない愛と美味しい魚で満たしてくれる“みなとや”の大川ご夫妻。実はこの3月(2019年)から「チリトリ自由食堂」という食堂と、「たちまち」という交流・移住相談所の取り組みをスタートしました。新たな挑戦を次々にすすめる姿勢に、どれだけ熱い思いを抱えているのか……と聞いてみたら、意外な回答が。

取材もお酒を飲みながら

「本当は面倒くさがりだし、無理なく暮らせるだけのお金があれば十分。でも“こんなのあったら楽しいのにな”って思うと、つい動いちゃうんだよね。“これをやらなくちゃいけない”って義務に感じるようになったらやめると思います」

義務ではなく、責任でもなく、前のめりな姿勢でもない。2人にあったのは「楽しもう!」という純粋な気持ち。だからお2人は常に自然体で温かく、人がどんどん集まってくるのだと感じました。ゲストはもちろん、U・Iターン移住者も増えてきているそうで、今後ますます大川夫妻の周りに笑顔が増えていきそうです。

お2人の素の愛情とおいしい魚に溺れられる壱岐のゲストハウス“みなとや”。元気がほしくなったときは、ぜひ訪れてみてください。

●みなとやゲストハウス
住所:長崎県壱岐市芦辺浦258
TEL:0920-40-0190
HP:http://www.minatoya-guesthouse.com/

撮影・取材・文/中川めぐみ
釣りアンバサダー 兼 ツッテ編集長。釣りを通して感じられる日本全国の地域の魅力(食、景観、人、文化など)を発見・発信するため、メディア「ツッテ」の運営や、初心者向けの釣りイベントを実施。自ら全国の港を飛び回っており、2018年は100地域での釣り旅を計画。レアニッポンでは全国の港町で見つけた地域や海にまつわるおもしろいものをお伝えしていきます。URL:https://tsutte.jp

Close