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【レアな逸品】「桶栄」4代目 江戸結桶師・川又栄風さんの金魚鉢桶

【レアな逸品】「桶栄」4代目 江戸結桶師・川又栄風さんの金魚鉢桶

精緻を極める削り仕事を施した木材と箍(たが)だけで作り上げる「結桶」。この江戸結桶の技術を受け継いでいるのが、「桶栄」4代目の川又栄風さんです。

側板は道具を変えながら、ぴったりと合わさるよう、削られていきます。温度や湿度により、刃の角度などを微調整しつつ進めるさまは、まさに匠の技です。

使う木材は、樹齢300年の天然椹(さわら)。年輪が平行に現れる柾目に切った側板を半年間、屋外で自然乾燥をし、さらに1日かけて乾燥室で燻すことで、木材の力を引き出します。

椹は半年間、雨ざらしにし、自然乾燥を繰り返すことで木材を“暴れ”させ、状態を落ち着かせます。

 

桶の胴部分ができあがると、箍をはめます。2本の箍を叩いてきれいに揃えるのは職人技です。

そんな手間と技術を注ぎ込んだ結桶の美しさをいかしたのが、今回ご紹介する金魚鉢桶。この金魚鉢桶は、江戸時代の錦絵にも出てくるもの。深川で代々桶屋を営んでいる川又さんだからこそ、江戸の粋を感じるこの品を復元したのでしょう。

桶栄 金魚鉢桶/240,000+税 ●材質 椹 檜 竹 ガラス 銅 ●サイズ(約) 鉢:直径26×奥行15cm 脚:幅29×奥行20×高さ14.5cm ●重さ(約) 1.8kg(総重量) ●日本製
清々しい椹(さわら)の白木とガラスの組み合わせが涼しげ。

川又さんによると、椹の抗菌作用で水の鮮度が保たれ、金魚が長生きするそう。まさに、高度な江戸結桶技法だからこその逸品です。


桶栄
明治20(1887)年、江東区・深川で開業した「結桶」の専門店。初代・川又新右衛門が作る桶や飯びつが美しさと質の高さで評判を呼んだ。現在は4代目の川又栄風さんが江戸結桶の技術を受け継ぎ、製造からメンテナンスまでを一手に行っている。

取材/仲川僚子 写真/井手孝高
※家庭画報ショッピングサロン 2019年夏号の記事を再構成

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