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【レアな逸品】「篠原風鈴本舗」の江戸風鈴

【レアな逸品】「篠原風鈴本舗」の江戸風鈴

伝統の技で作る涼やかな音

篠原風鈴本舗の風鈴作りは、江戸時代からほとんど変わらぬ製法で行われています。まずは、ガラスの棒を熱した坩堝に入れ、小さなガラス玉を巻き取るところから。

高温のため、オレンジ色をした口玉。口玉作りは習得に3年はかかるといいます

職人は型を使うことなく、口に含んだ棒を上下させ、空中で息を吹き込む「宙吹き」の技術だけで、丸い形を整えていきます。

できあがった直後の風鈴は非常に高温のため、コークスの粉の上に10分ほど置いて冷却します

最後は、本体の切り口を砥石で削って完成。この切り口がなめらか過ぎるときれいな音にならないため、ここも職人の腕の見せどころ。

絵付けは、4代目の篠原由香利さんらが担当。風鈴の内側に筆を入れ、巧みな距離感で描いていきます。

絵付けは一発勝負。複雑な柄も「一気に描くほうがうまくいきます」と篠原由香利さん
柄は愛らしく泳ぐ金魚と、夏の夜を彩る花火の2種類。飾り台は、格子を手前にしても、奥にしても自由に使えます。静岡に伝わる駿河竹千筋の端正な飾り台が、ガラスの涼感を引き立てます

50年ほど前までは、魔除けとして風鈴を吊るした名残があり、赤い風鈴が多かったとか。「製法は変わらずとも、柄は変化しています。常に今受け入れられる風鈴を考えています」と篠原さん。伝統の技と時代を捉えるセンスで日本人の心に根付いた音が守られています。

● 材質 本体:ガラス 短冊:麻 飾り台:竹  ● サイズ(約) 飾り台:幅16×奥行15×高さ39cm 風鈴:直径8×高さ7cm ● 重さ(約) 200g(総重量) ● 日本製 ●価格 8,100円(税込)

篠原風鈴本舗
大正4(1915)年、初代・篠原又平さんが創業。2代目・儀治さんが父、又平さんから技を受け継ぎ、「江戸風鈴」と命名した。300年間ほとんど変わらぬ製法で作り続けられている。4代目の篠原由香利さんは人気キャラクターとコラボレーションするなど、新たな世界を開拓。

取材/仲川僚子 写真/井手孝高 本誌・大見謝星斗
※家庭画報ショッピングサロン 2019年夏号の記事を再構成

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