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神輿を壊すほど、神様が喜ぶ?! 能登の奇祭「あばれ祭」

神輿を壊すほど、神様が喜ぶ?! 能登の奇祭「あばれ祭」

昔からの知人から何度も聞いていた、能登までキリコを担ぎに行くという話。キリコってそもそも何?という印象でしたが、実際に参加して、この祭りに惹かれる理由がわかりました。

能登キリコ祭り/キリコ(切籠)とは、高さのある山車・奉燈のようなもので、切子燈籠(きりことうろう)を縮めた略称。中能登周辺ではホートー(奉燈)とかオアカシ(御明かし)と呼ぶ地域もある

電信柱よりも高いキリコが並んでいるだけでも非現実的な光景ですが、勇ましい男たちが独特の掛け声で神輿を担いで走りながら、その神輿を地面に叩きつけ、壊していくなど、まさに奇祭そのもの。そんな「能登キリコ祭り」が行われる場所は、石川県鳳珠郡能登町宇出津。羽田空港から「のと里山空港」まで飛行機の便があり、そこから能登町までは「のと里山空港ふるさとタクシー」が予約制で運行しています。

今回は、奥能登を代表する清酒「竹葉」で有名な数馬酒造さんにお世話になって、担ぎ手として参加してきました。

能登キリコ祭りは、「あばれ祭」から始まる

「あばれ祭」は、宇出津八坂神社の祭りで能登キリコ祭りの先陣をきって行われ、数ある能登のキリコ祭りの中でも、飛びぬけて豪快なことで知られています。酒垂神輿と白山神輿の2つの神輿と、約40基のキリコが立ち並ぶ壮観さは見事。その高さは、数メートルから数十メートルまで、地域によってさまざま。形状は直方体の行灯(あんどん)状、四面に張られた白い和紙に、文字(浮き字)や紋、絵(武者絵など)が描かれ、夜になると灯された明かりが幻想的に浮かび上がります。町会ごとに毎年番号が変わり、その番号順で町内を練り歩きます。地元の人にとっては正月のように大切なもので、多くの若者がキリコ祭りのために里帰りをするそう。

1日目はキリコが主役で、昼過ぎから各町のキリコが町内を「いやさかよっせ、さっかよっせ」というかけ声とともに巡回しながら集結します。夜になると、夏のぬるい風の中、ぼんやりと明るい燈籠がなんとも幻想的です。花火が打ち上がると宵祭りが始まり、松明の周りを火の粉を浴びながらキリコが回ります。担ぐときに肩にあてる座布団は火の粉で穴が開き、Tシャツに穴が開いたり、身体に水ぶくれができる人も。

約40基のキリコが、大松明の周りを何度も回る
今年は風が強かったため、火の粉が容赦なく頭の上に…
肩にあてがった座布団は、この状態

そして2日目は、いよいよ神輿が主役に。「チョーサー、チョーサー」という掛け声とともに、町内から選ばれた担ぎ手の男性が神輿を担ぎながら走り、それを海や川に投げ込んだり、地面に叩きつけたり、火の中に放り込みます。この「あばれ祭」は、能登のキリコ祭りの中で最も勇壮な祭りの一つで、石川県の無形民俗文化財に指定されています。最後は置き松明の中に神輿を投げ込み、回したり倒したりしながら、神輿が焼け焦げるまで繰り返します。

見どころは、梶川橋の上から神輿を川に投げ込むところ。日中からシャッターチャンスを狙って、場所取りしている人もいます。水中で神輿を転がしたり、川面に叩きつける様は、川岸で見ている観客にも水しぶきがかかるほど激しいもの。地面に神輿を落とすときのドサッという鈍い音が、身体に響きます。

酒垂方神輿と白山方神輿の2つの神輿が梶川橋から放り投げられる

「あばれ祭」を手始めに、これから能登のあちこちで夏祭りが始まり、7月〜9月だけでもなんと30近く開催されるとか。ぜひ、夏の能登を訪れてみてください。

あばれ祭
開催時期:毎年7月第1金曜日および土曜日
開催場所:石川県鳳珠郡能登町宇出津地区
問い合わせ:0768-62-8532(能登町ふるさと振興課)

能登町観光ガイド 能登の祭
http://www.notocho.jp/feature/festival/
石川県観光企画課 能登のキリコ祭り 一覧
http://www.hot-ishikawa.jp/kiriko/jp/index.php

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