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至福の穿き心地! 現代風にアレンジされた「MONPE」にハマる人が増えてます

至福の穿き心地! 現代風にアレンジされた「MONPE」にハマる人が増えてます

かつての婦人用作業着「もんぺ」が、福岡県筑後地方の伝統工芸「久留米絣」の産地発のファッションアイテムとして脚光を浴びています。八女市の「地域文化商社『うなぎの寝床』」のオリジナル商品「MONPE」もその一つ。老若男女問わず、その極上な穿き心地に魅了される人が全国で増殖中です。

「久留米絣」は江戸時代後期に始まり、約200年の歴史を刻みます。織りに用いる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を部分的に染め、染色された部分と染色されていない部分を織り込んで柄を表現。

「久留米絣」の生地は手織りのような風合いで、柔らかさ、軽さ、丈夫さを兼ね備える(写真提供:うなぎの寝床)
糸を縛り、染まらない部分を作る「括り(くくり)」と呼ばれる作業が施された糸(写真提供:うなぎの寝床)

愛媛県「伊予絣」、広島県「備後絣」とともに日本三大絣に数えられる久留米絣ですが、今なお産業として成り立っているのは久留米絣のみといわれています。最盛期におよそ300あったといわれる「織元」は、わずかに約30軒が残るのみとなっています。

「久留米絣」織元(生産者)の工房内。今なお昔ながらの織機が使われている(写真提供:うなぎの寝床)

しかしながら、しっかりと伝統を重んじつつ、現代の暮らしにフィットさせた製品も数多く流通しており、「MONPE」もその一つとして「久留米絣」の素晴らしさを全国に発信しているのです。

「MONPE」の販売元「うなぎの寝床」は、旧商家をリノベーションして2012年にオープン
「うなぎの寝床」の2階が「MONPE」ブース。ネットでの購入も可能
「久留米絣×もんぺ」は最高の穿き心地! “どハマり”が商品誕生のきっかけに

「もんぺ」は戦時中に、婦人標準服として指定されていたほか、農村地域では、戦後においても長らく婦人用農作業着として多く流通し、全国各地で生産されていました。当然、筑後地方でも「久留米絣」による「もんぺ」が存在したわけですが、なぜ新たな発信の旗手と成り得たのでしょうか?

「久留米絣×もんぺ」の素晴らしさを見出したのは、「うなぎの寝床」代表の白水高広さん。2011(平成23)年当時、「九州ちくご元気計画」という地域活性化事業に関わり、筑後地方のさまざまな伝統工芸と向き合う中で、その穿き心地に強く関心を抱いたそう。

「地域の物産館で男性でも穿けそうなデザインのもんぺを見つけ、試しに穿いてみると、軽く、柔らかく、着心地は最高。性別問わず、多くの人に着てもらえるのではないかという、大きな可能性を見出しました」

「うなぎの寝床」代表の白水高広さん。久留米絣のもんぺを手に入れた当初、「まるで穿いていないかのよう」という心地よさに感動。昼夜問わず、ひたすら身につけたそう

白水さんは、翌2012(平成24)年7月に地域文化商社として「うなぎの寝床」を立ち上げ、「久留米絣」を知ってもらうミッションとして、オリジナルもんぺの販売をスタートさせます。生地の節約を意図して従来品よりもシルエットが細身となったことから、“現代風”の意味を込めて「MONPE」と命名しました。

「MONPE Hana gara」 レッド 16,200円(税込)。コストを下げるために化学染料染めを選択。色バリエーションが豊富という利点も生まれた(写真提供:うなぎの寝床)

「MONPE」誕生から間もなく8年、2016(平成28)年には「グッドデザイン賞」を受賞。黎明期に数百本だったという年間売上本数も、2018(平成30)年には15,000本を超えるなど、評判は“うなぎ登り”です。若い世代には、「もんぺ」という先入観がなく、“穿きやすそうなパンツ”という見方のユーザーも多いのだそう。

人気の「十字柄」は久留米絣のオーソドックスな柄の一つ。「MONPE Cross Pattern」グレー 11,880円(税込)
穿き心地のよさを体感してもらうために、絣としてはタブーともいえる無地タイプもあえてラインナップに加えている。「MONPE 無地」アースカラー(モスグリーン) 10,800円(税込)(写真提供:うなぎの寝床)

ワークパンツ、部屋着、そしてお出掛け用にと、着心地がよれば使い勝手も最高! 一度その身につけたなら、寝ても覚めても「MONPE」の虜となること請け合いです。その存在感は、同社のキャッチコピーが示す「日本のジーンズ」そのものといえます。


うなぎの寝床
URL:http://unagino-nedoko.net/

撮影・取材・文/兼行太一朗
地元・山口のフリーペーパー発行元に14年間勤務した後、フリーライター&カメラマンとして独立。主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名・大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。

編集/くらしさ

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