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え? こんなに身近に? 東京都内の「紅葉」絶景スポット

え? こんなに身近に? 東京都内の「紅葉」絶景スポット

秋になり、草木の葉が赤や黄に変わりはじめました。

そうして葉が色づいていくことを、奈良時代前後には「もみつ(紅葉つ・黄葉つ)」といい、それが名詞化して「もみち」とも表現していたそうです。時を経て平安時代になると、その「もみち」が「もみぢ」となり、今も使われる「もみじ」と変遷していったといいます。

そんな万葉の頃から、日本人が愛でてきた紅葉が、今年も見頃を迎えようとしています。紅葉の絶景といえば、山間部や渓谷などをイメージする方も多いでしょう。でも、身近な自然に目を向けてみると、意外な穴場があちこちにあるものです。

今回は東京都心の絶景スポット、なかでもライトアップされた紅葉が見られる場所をご紹介していきます。

 

東京都庭園美術館

茶室から見るモミジも絶品

「東京都庭園美術館」は1983年に、旧朝香宮邸の建物と庭園をそのまま美術館として開館しました。戦後は外相・首相公邸として、あるいは迎賓館としての役割を担ったこともあります。

そんな「東京都庭園美術館」は、芝庭、日本庭園、西洋庭園と3つのエリアに分かれています。なかでも紅葉観賞におすすめなのが、日本庭園。築山と池を備え、起伏に富んだ景観です。茶室もあり、和の情緒にあふれているエリアです。庭園内にはモミジが多く、真っ赤に彩られます。

11月22日(金)からは、開館時間が20時まで延長される夜間開館日もあり、ライトアップされた紅葉を愛でられます(11月22日・23日・29日・30日、12月6日・7日の6日間)また、11月23日(土・祝)から12月8日(日)までは日本庭園内にある茶室「光華」(国の重要文化財)が特別公開されます。茶室からは真っ赤に彩られたモミジが見え、秋の情緒を感じられるそうです。

東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
最寄駅:JR山手線・目黒駅、東京メトロ南北線・白金台駅
電話:03-3443-0201
営業時間:10:00~18:00(夜間開館日は10:00~20:00)
定休日:毎月第2・第4水曜日、年末年始
利用料金:〈庭園入場料〉一般200円/大学・専門学校生160円/中・高校生・65歳以上100円〈入館料〉展覧会により異なる ※夜間開館日は庭園入場料も展覧会の入館料も17:00以降学生無料、その他は通常より2割引き
URL:https://www.teien-art-museum.ne.jp/

 

ホテル椿山荘東京

日本庭園を眺めながら、贅沢な食事を楽しむ

「ホテル椿山荘東京」は、南北朝の頃から椿が自生する景勝の地として、「つばきやま」と呼ばれていた場所にあります。江戸時代には同ホテルの隣接地に、松尾芭蕉が4年間を過ごしたそうです。さらに明治になると、山縣有朋卿がこの地に庭や邸宅をつくり「椿山荘」と命名しました。

その森のような庭園には小川が流れ、樹齢約500年のシイノキや室町時代末期の作といわれる三重塔などが建ち、一歩足を踏み入れるだけで都会の喧騒から離れられます。

11月下旬から、モミジやハゼノキ、ナラ、ケヤキなど約100本の、色づく木々が楽しめます。また、今年は12月25日(水)まで庭園がライトアップされ、光に照らされた紅葉を楽しめます。そのライトアップは、九州国立博物館や聖路加国際病院などを手がけた、照明デザイナーの近田玲子氏によるもの。三重塔を囲むようにたたずむ樹木、点在する史跡や池などが、照明によって静かに浮かび上がります。

なお、紅葉の観賞は同ホテルの利用者に限られます。ロビーラウンジ「ル・ジャルダン」ほかレストランなどで、窓の外の紅葉をゆっくりと眺めるのがおすすめです。

ホテル椿山荘東京
住所:東京都文京区関口2-10-8
最寄駅:東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅、東京メトロ東西線・早稲田駅
定休日:無休
TEL:03-3943-1111
URL:https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/

 

肥後細川庭園

池を囲む木々のライトアップで幻想的な空間へ

「肥後細川庭園」は、江戸末期には清水家や一橋家(ともに御三卿)の下屋敷となり、幕末には肥後国54万石の細川家の下屋敷に、明治15年には細川家の本邸となった場所です。庭園の様式は、目白台の台地(関口台地)の自然景観を活かした池泉回遊式。

紅葉の季節には、庭園内の多くのヤマモミジやエノキ、ハゼなどが赤や黄に彩られます。

11月23日(土・祝)から12月1日(日)までは「秋の紅葉ライトアップ~ひごあかり~」が開催され、園内がライトアップされます。木々をはじめ、“松の雪吊り”がLEDで浮かび上がり、日中の印象とは違う、幻想的な空間に変わるのです。

肥後細川庭園
住所:東京都文京区目白台1-1-22
最寄駅:東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅、都電荒川線・早稲田駅
電話:03-3941-2010
営業時間:9:00~17:00(紅葉ライトアップイベントは17:30~21:00)
入園料:無料(ただしライトイベントの参加費は300円)
URL:https://www.higo-hosokawa.jp/

 

六義園

モミジ約400本が色づく圧巻の紅葉

「六義園」は、将軍の側近である側用人・柳沢吉保の下屋敷として1702年につくられました。明治時代には三菱グループの創業者・岩崎弥太郎の所有となり、1938年に東京市が寄贈を受け、現在は都立公園となっています。

庭園の様式は、千川上水から水を引いた池を中心にした回遊式築山泉水庭園。万葉集や古今和歌集に詠まれた紀州・和歌の浦の景色をはじめ、景勝地や中国の故事にちなんだ景観が再現されたといいます。

園名は、中国最古の詩集『詩経』における詩の六種の分類、または紀貫之の『古今集仮名序』に転用された和歌の六体、「六義(りくぎ)」が由来です。六義園をつくった柳沢吉保は「六義園」を、日本風に「むくさのその」と呼んでいたそうです。

そんな「六義園」、11月半ばからは、イロハカエデ(モミジ)約400本の他、ハゼノキやイチョウ、トウカエデなど計約560本が色づきます。園内のいたるところで紅葉が楽しめる、都内有数の紅葉の名所として知られているのです。
11月20日(水)~12月12日(木)は、開園時間が21時まで延長されます。園内がライトアップされ、落ち着いた秋のたたずまいと、艶やかな紅葉が楽しめます。

六義園
住所:東京都文京区本駒込6-16-3
最寄駅:JR山手線・東京メトロ南北線 駒込駅、都営地下鉄三田線・千石駅
営業時間:9:00~17:00(ライトアップ期間中は9:00~21:00)
定休日:2019年12月29日~2020年1月1日
入園料:一般300円、65歳以上150円
URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index031.html

 

大田黒公園

イチョウ並木や60本以上のモミジの共演が楽しめる

「大田黒公園」は、日本における音楽評論家の草分けとして知られる、大田黒元雄氏の屋敷跡地につくられた公園。大田黒氏が暮らしはじめたのは1933年からのこと。同年に建てられたレンガ造り洋館の仕事場も、記念館として公開(2階は非公開)されている。

門を入るとすぐに樹齢100年を超えるイチョウ並木が出迎えてくれるほか、庭園内の60本以上のモミジをはじめ、ニシキギやハゼノキが秋の紅葉を演出してくれます。そのほかに、ケヤキ、アカマツ、シイノキなどの巨木がうっそうと茂った、緑豊かな公園です。

11月22日(金)から12月1日(日)までは、開園時間が延長され、庭園ライトアップが実施されます。鮮やかな池泉回遊式庭園を彩る紅葉がライトで照らされ、幻想的な空間へと変貌します。

大田黒公園
住所:東京都杉並区荻窪3-33-12
最寄駅:JR中央線・東京メトロ丸ノ内線 荻窪駅
電話:03-3398-5814
営業時間:9:00~17:00(ライトアップ期間は9:00〜20:00)
定休日:年末年始
利用料金:無料

 

今回はライトアップされる庭園や公園をご紹介しました。秋晴れの陽の光の下で見る紅葉も美しいものですが、漆黒の空の下でライトに照らされた紅葉も格別です。今年はそんな特別な絶景を、楽しんでみてください。

取材・文/河原塚英信
造園業界を経てトレンドモノ情報誌の編集者へ。各地の庭園や城をめぐり、木々の剪定の技や、石垣の石組みなどを見て回っている。現在は、主にデジタルガジェットや家電製品を紹介するフリーランスライター。

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