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【高知】 レア土産「畑のラー油」とは? 定番土産「芋けんぴ」のルーツとあわせてご当地ライターが解説

【高知】 レア土産「畑のラー油」とは? 定番土産「芋けんぴ」のルーツとあわせてご当地ライターが解説

鰹のタタキや坂本龍馬で知られる高知県。自然が豊かで、生姜やなす、ゆずなど日本一の生産量を誇る食材がたくさんあります。そんな高知県の土産屋で必ず目にするのが「芋けんぴ」。なぜ生産量の多いゆずや生姜を使ったお土産よりも、古くから「芋けんぴ」が高知の土産として定着したのでしょうか? 今回はご当地ライターが定番土産のルーツと、高知に来たら絶対に買って帰ってほしいレア土産をご紹介します!

「けんぴ」と呼ばれる郷土菓子から誕生した「芋けんぴ」

今や全国のコンビニやスーパーで見かける「芋けんぴ」。実は高知県発祥のお菓子ということをご存じでしたか? そのルーツは、高知県独自の「けんぴ」と呼ばれる郷土菓子にありました。

高知県では平安時代から、小麦と砂糖に水を加えてこね、生地を棒状に整えて焼き上げる「けんぴ」が食されていました。シンプルですが、当時は貴重な小麦を使った高級菓子。かつては、初代土佐藩主である山内一豊へも献上されています。

そこで庶民でも食べられるよう、小麦をさつまいもで代用して作られたのが「芋けんぴ」でした。小さな駄菓子屋で売られることが多く、古くから県民に親しまれていたのです。

元祖「芋けんぴ」屋の昔から変わらない、こだわりの芋けんぴ

高知県内に芋けんぴ屋はいくつかありますが、一番はじめに「芋けんぴ」を商品として会社を立ち上げたのが芋屋金次郎さんです。高知市内の直営店はまだ新しく、老舗のイメージがない方もいらっしゃるかもしれませんが、実は昭和27年に「澁谷食品株式会社」として芋けんぴの会社を創立しています。

黒糖芋けんぴや黒胡麻細切り芋けんぴなど、定番の芋けんぴ以外にも種類がたくさん

創業から変わらず、芋と砂糖、油のみで作られた「芋屋金次郎」の芋けんぴは、芋の香りと砂糖のあとひく甘さ、そして油の香ばしさのバランスが絶妙です。さつまいもは、でんぷん質が多く揚げ物に適している「黄金千貫」を使用。長期保存すると芋の糖度が高まり、油で揚げたときに芋自体が固くなってしまうため、前日に掘った芋を土付きの状態で仕入れ、その日のうちにすべてカットしているといいます。
そして、芋けんぴといえばカリカリとした食感! カットの大きさはミリ単位で改良され続けているそうです。

「芋屋金次郎」が誕生するまで

「澁谷食品株式会社」を立ち上げた澁谷金次郎は、学業の傍ら、家計の足しになるようにかりんとうなどのお菓子を売り歩いていました。地元での評判が高くなると、自転車の荷台にお菓子を載せて高知市内でも売り始めます。観光地として有名な「桂浜」などでも、自転車を押して売り歩いたそうです。

澁谷金次郎(写真提供:澁谷食品株式会社)

その後、金次郎は20歳で澁谷食品株式会社を設立。高知県の海産物として有名な鰹のアラをもらってきて自分たちでさつまいもの肥料を作るなど、独創的な発想で事業をどんどん拡大していきました。その後、69歳で息を引き取り、現在は息子の澁谷伸一さんが2代目として澁谷食品を経営しています。

先代の「金次郎」という名前を残したいという思いで、直営店の名前を「芋屋金次郎」と名付けた

高知県民に愛され続けてきた「芋けんぴ」。「芋屋金次郎」の芋けんぴは高知市内でも購入できますが、金次郎が生まれ育った日高村の本店では、併設された工房で揚げたての芋けんぴが食べられます。お土産と一緒にまだ温かい芋けんぴも、ぜひ堪能していただきたいです。

芋屋金次郎 日高本店
住所:高知県高岡郡日高村本郷573-1
TEL:0889-24-7476
営業時間:10:00 ~19:00
定休日:年中無休(年末年始休業あり)
URL:https://imokin.co.jp

自家栽培の食材の旨味で構成された、程よい辛味の「畑のラー油」

最近筆者がハマっているのが「畑のラー油」。お土産としてはまだあまり知られていませんが、食通の高知県民なら知っている“レア土産”です。こちらは高知市で農業を営む大宮ご夫妻が手作りしているもの。古い家地の近くに畑があったことで、子どもの頃から身近にあった“古家地(ふるやじ)”という言葉を使い「フルヤジ・オーガニックス」としてラー油のほか、パンや焼き菓子作っています。

「畑のラー油」 60g 800円〜、120g 1,600円〜(各税込)

もともとラー油が大好きだったという、奥様の大宮雅代さん。趣味で手作りしていたラー油の評判が良く、友人から「商品にしてほしい!」と言われたことが「畑のラー油」を作り始めたきっかけでした。せっかく作るなら自分たちで育てた食材で作りたいと、メインの食材である生姜、にんにく、ハーブは無農薬で自家栽培しています。

畑で収穫した生姜(写真提供:フルヤジ・オーガニックス)

要となる油は、薬品で抽出したものでなく、油本来の健康効果をそのまま摂取できる圧搾したものを使用。美味しいだけでなく体のことを考えて作られているのも、おすすめしたい理由の一つです。

小さなお子さんでも食べられる程よい辛味と、生姜やにんにくの旨味とバラエティ豊かな食感を楽しめる「畑のラー油」。白ご飯と食べるのはもちろん、大宮家ではチーズトーストや麺類と一緒に食べることが多いとか!

辛いものが好きでなくても、ラー油が特別好きでなくても、ぜひ一度手にとってみてほしい! 筆者はフルヤジさんのラー油を食べて以来、他のラー油を買えなくなってしまったほどです。

自分たちで美味しく体に優しいものを作る

大宮ご夫妻は、雅代さんの実家の家業であるユリ農家を継ぐために、神奈川県から高知県に帰ってきました。美味しいものを食べることが大好きで、自分たちで美味しいものを作りたいと、ユリ以外に野菜の栽培をスタート。また、アトピーの長女・たみちゃんに添加物を使わないものを食べさせてあげたいと、できるだけ体に優しい食べ物を作るよう心がけるようになったといいます。

手作りのパンやお菓子にも自家製の小麦を使うなど、「自分たちで作れるものは自分たちで作る」がモットーのフルヤジさん。ラー油はもちろん、食材にこだわったパンや焼き菓子も、ぜひ手にとっていただきたいです。
なお、「畑のラー油」は毎週日曜開催の「日曜市」などで購入可能です。

日曜市
開催日:毎週日曜日(1月1日・2日、8月10〜12日を除く)
開催時間:4月〜9月 5:00〜18:00、10月〜3月 5:30〜17:00
開催場所:高知市追手筋

「芋けんぴ」が高知の定番土産になるまでのルーツと、ライターおすすめのレア土産はいかがでしたか? 高知観光を楽しんだ後の、お土産選びの参考にしていただけると嬉しいです。


撮影・取材・文/かずさ まりや
広島の出版社で編集経験を積んだ後、高知県へUターン。「こうち食べる通信」では副編集長を務め、高知を拠点に福岡・岐阜・大阪などで地方創生ムービーの密着取材などを中心に活動している。

編集/くらしさ

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