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北海道~東京1,200km!ボルボで行く雪道グランドツーリング

北海道~東京1,200km!ボルボで行く雪道グランドツーリング

今年は雪が少ないと聞いていましたが、まさかこれほどまでとは……と札幌・新千歳空港でおののいた旅の始まり。このたびは北欧スウェーデンが誇る自動車ブランド「ボルボ」、その中でもとりわけ悪路走破性が高いV60 クロスカントリーで冬の北海道を走り抜け、東北、北関東そして東京へと1,200km以上におよぶ雪上のグランドツーリングを楽しむ趣向だったのですが、早速出鼻をくじかれました。

いずれにせよ、さっさと出発せねばなりません。なんせ1日目の目的地だけは決まっておりまして、272km先の函館駅前。そして時刻はすでにお昼前。高速道路を使って一目散に函館を目指しても3時間半はかかります。せっかくの旅だもの、多少はグルメや観光を楽しみたい。いや、観光は無理でも写真だけでも押さえておきたい。

味の大王 総本店

ひとまず苫小牧でサク飯、と北海道バイクツーリング以来15年ぶりに立ち寄ったのが「味の大王 総本店」です。札幌の味噌でもなく、旭川の醤油でもなく、函館の塩でもない、独自のカレーラーメン発祥の店。昭和40年の誕生当初は邪道と揶揄されたそうですが、いまや苫小牧や胆振地方を代表するご当地ラーメンとして有名です。

辛口カレーラーメンとホッキぎょうざ

雪は少ないものの風はビュービュー冷たいため、辛口カレーラーメンをチョイスし、ホッキぎょうざをプラス。ホッキ貝もまた苫小牧を代表する名産品で、市内にはホッキカレーなるご当地グルメが点在しているそう。

麺リフトするとカレースープも一緒にもち上がる。本来はライスで迎え撃ちたいところ

辛口には通常のカレーラーメンに加えて、赤い辛味オイルが浮かび上がり、さらに味噌玉風の辛口カレー玉がトッピング。もともとドロドロのスープに溶かし加えれば、太麺とのカラミはより濃厚に、さらなる辛味が広がります。合の手のホッキぎょうざも食感が面白く、あっちゅう間に食べきってしまいました。

先を急がねば。

本日の行程。ほぼ地図右上から左下までぐるっとまわります

あらためて、本日は道央自動車道で噴火湾をぐるっとまわり込み、函館にほど近い大沼公園ICへと向かうわけですが、ただ一直線に目指しても面白くありません。せめて途中、1カ所でもいいから観光スポットに立ち寄りたい。悠長に観光したり温泉に入ったりする暇はないけれど、過去の取材のお蔵入り写真ならたくさんある! だとしたら、向かう先はあそこしかない。そう、登別!

登別・静かにお湯を楽しみたいならカルルス温泉へ

着きました。雪がありそうに見えますが、実はここだけ

登別といえば、温泉と温泉と温泉ですよ(以下はちょうど2年前に取材した時のもの)。

その登別温泉の一大景勝地が地獄谷。日和山の噴火でできた爆裂火口跡には、谷に沿って無数の湧出口や噴気孔があり、常時泡を立てて煮えたぎっております。その様子が「鬼の棲む地獄」の由来となったそう。また豊富な泉質の湯が毎分約3,000ℓも湧き出ていて、付近の温泉旅館やホテルに供給されています。

地獄谷
中でも見どころは谷のほぼ中央に位置する鉄泉池。ゴボゴボとお湯が立ち上ります
大湯沼

地獄谷から歩いて行けるのが、今なお噴煙をあげる活火山・日和山(377m)の山麓に抱かれているひょうたん型の大湯沼。沼底からは約130度の硫黄泉が噴出しているため、四季を通して付近に白い煙が立ち込めています。その様はまるで地獄の釜。周辺にはイソツツジ、ガンコウランといった高山植物の群落もあり7月から9月初旬が見頃だとか。ハイキングにもぴったり。

天然の足湯。この時はぬるめで、いつまでも出られませんでした

大湯沼から流れ出る大湯沼川沿いにあるのが、誰でも利用できる無料の天然足湯。森林浴を楽しみながら散策の疲れを癒やすことができますが、タオル等のアメニティはないのでご持参を。タイミングによっては熱かったりぬるかったりするのも大自然ならでは。

カレーラーメンか地獄ラーメンか悩ましいところ

冷えきったカラダを温めてくれるのが「味の大王 登別温泉店」オリジナルの名物・地獄ラーメン。ピリ辛スープのラーメンに、好みに応じて唐辛子パウダー(1杯50円)を追加できる人気メニューです。さぞかし辛いかと思いきや意外とあっさり。

カルルス温泉オロフレ荘

観光客で賑わう登別温泉郷ではなく、もう少しゆっくり静かに温泉に浸かりたい、という方にオススメなのが「カルルス温泉 オロフレ荘」。北海道で初めて国民保養温泉地に指定されたカルルス温泉は、名湯百選にも数えられる日本屈指の温泉地。湯元のオロフレ荘は大小さまざまな湯船はもとより、シャワーから出るお湯まで源泉かけ流しが魅力。入浴料500円とリーズナブルなのも嬉しい。

それにしても朝が早かったので眠い。時折、仮眠をかまします

ご覧のとおり、2年前の同時期は雪が降り積もっていたんですが、今年は記録的な暖冬で雪がございません! これじゃあボルボの雪道での実力も測りかねます。困ったなあ、と思いつつもひとまず函館を目指さねばと道央道をひた走り。

その途中で気づいたのがこのボルボ V60 クロスカントリー、車速を維持するクルーズコントロール以外に、いわゆる運転支援システムというんでしょうか、「パイロットアシスト」という機能をオンにすると、前方車両との車間距離をいい感じに保ちながら、設定した車速を維持して、なおかつ車線を逸脱しないようハンドル操作をお手伝いしてくれるではありませんか。さすがにハンドルから手を離すとアラートで怒られますがドライバーはほとんどやることなし!  ハンドルに手を置いて前方を眺めていればあっちゅう間に目的地に着きます。近頃のクルマでは当たり前の機能なのかもしれませんが、初体験だっただけにマジで感動しました。無駄なアクセル&ブレーキ、ハンドル操作がないぶん疲れませんし、車速の違うトラックに割り込まれてもイライラしません。これは道路上の平和を保つためあまねくクルマに搭載していただきたい。

函館・はるばる来たぜ「シゲちゃん寿司」
金森赤レンガ倉庫でパチリ。右奥には函館山展望台の灯りがチラリ。それにしても雪がなーい

そうこうするうち、噴火湾をぐるっとまわって日没後に函館着です。本当は夕焼けも狙っておりまして、場合によっては道南の西海岸にまわる予定でしたが残念ながら曇り空。というわけで金森赤レンガ倉庫での記念撮影を終えたアシで、ホテルにチェックインすらせず向かったのは、五稜郭タワーでもなく函館山でもなく、函館市民でも知る人ぞ知る市場「中島廉売」です。

位置的には五稜郭タワーの近くにある中島廉売

観光客に有名なのは函館駅にほど近い函館朝市ですが、よりディープに函館の食文化を楽しみたいなら中島廉売ですよ。観光地価格ではないお手頃価格で魚介類を購入することができます。お刺身も安価なのでホテルでの晩酌のつまみに最適。

変わり種寿司が安価に楽しめる「シゲちゃん寿司」

その中島廉売のはずれにある、立ち食いとテイクアウト専門の寿司店が「シゲちゃん寿司」です。通常ならば捨ててしまう魚介類の部位を使った変わり種寿司がウリで、中でも道南名物のがごめこんぶ握りや発酵バター巻、タコの頭、鮭の背脂といった面白ネタが目白押し。そもそも寿司盛りが700円(15時まで)で、どんなに頼んでも2,000円弱で満腹です。

2年ぶりにシゲちゃんと

「シゲちゃん寿司」で満腹になったものの、その「うまいに違いない」たたずまいにやられ、どうしても入ってみたくなった焼肉店、それが新川町にある「焼肉・ホルモン 松竹園」です。

店構えからして名店の香りがする松竹園

すでに腹パンながら、カルビ焼、牛タン焼、ホルモンにライスを注文。とりわけタンが肉厚ジューシーでうまい! 店内をウロウロ徘徊する老いた看板犬もキャワワ!

これで3,000円しません(すでに牛タンを食べたあと)

地元の方にも愛されている名店のようですが、聞けば設備の老朽化が激しく2020年8月をもって閉業するのだとか。うーん、もったいない。

店内をウロウロしているわんこ

その他、函館にはさまざまな観光スポットやグルメスポットがございますが、中でもプッシュしておきたいのが函館市熱帯植物園です。

温泉に浸かるサル

湯の川温泉にほど近い市営の熱帯植物園は、例年12月から5月までのあいだ、温泉を引いたプールに浸かるサルの姿が見られます。大人から子どもまで弛緩しきったサルたちの姿は人間そのもの。温かすぎて体毛が抜け落ちたサルはもはやお湯から出られず、これはサルにとっての天国なのか地獄なのか悩ましいところ。

ある意味、地獄かも?
青森・世界有数の豪雪地帯でボルボの実力を試す
朝4時半。フェリー乗り場は函館市街から離れているのでご注意

翌朝は4時にホテルをチェックアウト。というのも、津軽海峡を渡る青函フェリーのちょうどよい便が4時半発だったから。これまで大間崎~函館間や八戸~苫小牧間のカーフェリーに乗ったことはありましたが、函館~青森間は初めて。そんなに遠くはないだろうとタカをくくっていたら、なんと4時間もかかるんですね。常識的な時刻の便に乗ると青森着がお昼過ぎになってしまうため、睡眠時間を削って未明の便を選んだのです。

シーズンオフの平日ゆえ客はほぼおらず客室を独占

ボルボで乗り込んだ船内は、清潔で現代的なフェリーのそれ。運航中は甲板に出られないのも残念ですが最近の流れですね。お天気もあいにくの雨模様で日の出も期待できないとあって、2等船室を独り占めしてグースカと惰眠を貪りました。うん、よく寝た。

青森港にとうちゃく~

フェリーは無事8時半に青森港に到着。そこから青森県某所までボルボを飛ばし、2日目はまるまるスマホなし旅の取材を行いました。東北エリアを取材するなんてまたとないチャンスですからね。その模様も近々公開予定ですのでお楽しみに!

さて、雪道ドライブといいながらここまでスノーコンディション皆無の当企画。これではマズいとボルボで向かったのが、世界有数の豪雪地帯として知られる八甲田山エリアです。さすがに雪が積もっているだろう、と目論んだのですが、みごとビンゴでした。

見渡す限りの銀世界。スウェーデンを舞台にしたミステリー映画『ドラゴン・タトゥーの女』のサントラをかけて北欧気分を味わいます
15年ぶりにヒバ千人風呂でおなじみの酸ヶ湯温泉にも訪れました

さすが雪国スウェーデンで鍛えられた足回りのおかげか、雪が降り積もってところどころ凍結しているような路面でもしっかりグリップ。下りコーナーをややオーバースピードで突っ込んでしまっても、4WDと適切なトルク配分ですぐさま態勢を立て直してくれます(実際はちょっと焦ったけどね)。

本当は八幡平あたりまで進みたかったところですが、この日は十和田にステイ
翌朝、十和田市現代美術館。ロン・ミュエクの大きなおばさんが撮影OKになってました!
一番好きなのはハンス・オプ・デ・ベークの《LOCATION #5》。デヴィッド・リンチの世界

無事に八甲田山を抜けた先は、大好きで何度も訪れている青森県十和田市へ。3日目はこちらに泊まり、翌日十和田市現代美術館を楽しみました。かつては館内撮影禁止でしたが、いつの間にかOKになったんですね。いいことだ。

江戸時代から続く那須の北温泉旅館。こちらは、つげ義春や『千と千尋の神隠し』の世界です

午後からは八戸道、そして東北道を伝って一路東京方面へ(残念ながら雪はなし)。この日は栃木県の那須高原まで500km以上を移動しなければいけなかったのですが、前述したパイロットアシスト機能で疲れ知らず。もう運転支援システムのないクルマで長距離ドライブできないかもしれませんわかりません。

4日目はこれまた大好きな北温泉旅館にステイし、翌日無事東京へと戻ったのでした。

まとめ
東北道でようやく拝めた夕焼け

実質4日間、のべ1,200km以上を走った北海道~東京グランドツーリングの旅。もうちょいスケジュール配分をどうにかして岩手や宮城にも降り立ってみたかったところですが、それは次回に期待するといたしましょう。といいますか、運転支援システムさえあれば、宮城あたりなら近場みたいなもんですよ。ゆえに、なかなか行けない青森のボリュームを多めにしたのは正解!だと思います。

今は都心生活ゆえクルマを所有しておらず、もしも次に買うならばスズキジムニーが絶対いい!と夢想しているぼくですが、ボルボのガチムチの乗り心地と走行安定性を味わってしまうとですね、やっぱりヨーロッパ車もいいなあ、と思わないでもありません。もっとも今回試乗したV60 クロスカントリー T5 AWD PROのお値段はオプション全部のせ税込700万円なんですけどね。ななひゃくまんえん…。ジムニーも660ccで200万円以上しますから、2000ccのボルボが3倍なのは妥当?

おまけの北温泉旅館のニャー

取材協力:ボルボ・カー・ジャパン
https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/v60-cross-country


熊山 准(くまやま・じゅん)

リクルート編集職を経て『R25』にてライターデビュー。執筆分野はガジェット、旅、登山、アート、恋愛、インタビュー記事など。同時に自身のゆるキャラ「ミニくまちゃん」を用いた創作活動&動画制作を展開中。ライフワークは夕焼け鑑賞。マレーシア・サバ州観光大賞2015メディア部門最優秀海外記事賞受賞。1974年徳島県生まれ。

熊山准のおブログ
http://www.kumayama.com/
Yahoo! JAPANクリエイターズプログラム
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